対名古屋戦(08−27A)。

過密日程を,小さなユニットで押しきる。


 バランスを失いたくないという意図があるのでしょうが,かなりのギャンブルであるようにも思えます。そして昨季も,同様のギャンブルに出ています。


 昨季から学ぶべきものを,意識しているのでしょうか。今節において獲得した勝ち点よりも,コンディションが気になります。


 ということで,まいど1日遅れの名古屋戦であります。今回は,いつもよりちょっとだけ短めで。


 まずは,ゲームそのものですが。


 理想的な時間帯に先制点を奪取すると同時に,相手のラッシュを警戒しなければならない時間帯に失点を喫する。何とももったいないゲームだった,と感じます。


 テーブル首位に立っているクラブとの対戦ですから,当然「勝ち点3」以上の重みを持っていますし,その意味からも勝ち点3を奪取しておきたかったのは確かでしょう。水曜日のゲームでリーグ戦における主導権を奪い返す,その大きなきっかけになるゲームでもあったわけですから,単なる1/34とは言えないゲームです。それだけに,前半終了間際の先制点は大きかったと感じます。


 リズムを引き寄せて,ハーフタイムを迎えることができたわけですが,そのリズムを維持できなかった。ある意味,ゲームを落ち着かせたい立ち上がりの時間帯で,相手の仕掛けを受け止めるような形になってしまい,ゲームをイーブンに引き戻されてしまう。ここからの時間帯は仕掛けを強めることよりも,守備バランスを意識していたように感じます。


 「勝ち点3」奪取よりも,「勝ち点1」確保を狙う。


 確かに,チーム・コンディションを考えるならばひとつの選択肢です。1週間というサイクルでのトレーニング・ルーティンが,圧倒的に短くなってしまっているわけですから,コンディショニングだけでゲームを迎えるような状態であろう,と。であるならば,首位との勝ち点差を維持する,という方向性を狙ってもおかしくはありません。試合消化数は1ゲーム少なく,勝ち点差を詰めると同時にプレッシャーを掛け与えられる可能性はしっかりと残されているわけですし。


 ただ,チームに負担を掛けないような戦術交代があってもいい。にもかかわらず,ダッグアウトは交代枠を使い切るようなことがなかった。ユニットが小さな印象を持たざるを得ないのです。


 昨季は,ユニットを小さく固めることでリーグ戦,ACLを戦い抜くというアプローチを採用,ACLという高みを陥れることには成功したけれど,リーグ戦ではマイスターシャーレをつかみ損ね,今季にまで影響するダメージを選手に与えてもいます。また,天皇杯を含めて考えるならば,リザーブを主体とするチームを投入した影響か,チームが機能しているというような印象はあまりに薄かった。ユニットを小さくしたネガティブでしょう,浦和というクラブが表現すべきフットボール,その戦術的な基盤が共有されていないことを露呈してしまった。


 この過密日程の戦い方からは同じ轍,を感じてしまうのです。


 リーグ戦だけでも,クラブの総合力が問われるはずなのに,ACLを同時並行的に戦い,11月には天皇杯初戦も待ち構えている。保有戦力がチームの発揮すべき総合力に直結していないとなれば,ゲーム数が少なくなっているリーグ戦で加速態勢を取り切れない可能性も考えなくてはならない。これは当然,リザーブやサテライトのモチベーションともかかわってくる話だと思います。


 チームが総力戦を挑める態勢を,と思っています。