Agg : 4-3 (ACL Quarter-finals).

シンプルなようであり,でも難しくもあったタスク。


 まずは,できるだけ早い段階で先制点を奪取することがシンプルなタスクでしょう。


 この先制点で,1,2戦合計でのスコアで並びかける。と同時にアウェイゴールの圧力を相手に掛け与えていく。


 ただ,ゲーム・マネージメントには慎重さも求められます。“アウェイ・ゴール”という存在が関わってくるからです。アウェイ・ゴールという存在は,戦い方にともすれば難しさを与えかねない要素です。


 攻撃的に仕掛けていくだけでは,不要なリスクを持ち込むことにもなりかねない。守備的な安定性を失うことなく,同時にチャンスを確実に引き寄せる。要は,「カップ戦」らしく戦い抜くことが求められていた,となるでしょうか。


 そのタスクを,しっかりとクリアしてみせた。その結果として,1,2戦合計スコアには,何の留保文言もない。クレジットされるのは2−0(4−3:Agg)。


 いつものように(以下省略),の準々決勝第2戦であります。


 グループリーグの段階では,確かに“League”という印象があります。ですが,ノックアウト・ステージに入ると,明確に「カップ戦」です。高みを陥れようとするならば,トーナメントを駆け抜けなければなりません。そして今季は,最初から加速していくことが求められていた。アジア仕様に,チームを短時間で調整することが求められていた,とも言えるでしょうか。この難しさが,第1戦では出てしまったのかも知れません。


 90分ハーフの前半(第1戦)を見れば,物理的なビハインドを1点背負ってはいるけれど,決してネガティブな状態で後半(第2戦)を迎える必要もない。緊張感を持って後半に入れるのではないか,と感じていました。


 ただ,ゲームを優位に進めるためには,先制点奪取は早いほどいい。そのタイミングは,前半31分でした。クリアボールからのリフレクトをゴールマウスへと突き刺し,先制点を奪います。


 この段階で,合計スコアは3−3。アウェイゴールが,実質的に意味を持ったタイミングです。そして後半立ち上がりの時間帯には,追加点を挙げることでアウェイゴールが関与することない結果を引き寄せることに成功します。


 確かに,危険な時間帯もあったし,安定したゲームというわけではありません。内容面では,確かに修正すべき部分もあるでしょう。リズムが関わってくるリーグ戦では,修正すべきポイントを放置しておけばあとのゲームに影響してしまうことにもなります。ですが,カップ戦においては「立ち止まらないこと」が最優先に置かれるべき要素です。結果を引き寄せられなければ,内容がよかったとしても先がないのですから。


 そして,「結果を引き寄せる」という意識でチームが束ね上げられた印象も強い。方向軸にブレがない,ということがパフォーマンスに好循環を与えたものと感じます。


 ともすれば,入り方が難しかったかも知れないノックアウト・ステージ。結果として,いい形で準決勝へと流れを持ち込めるのではないか,と思います。