傷んだピッチの原因は。
インターバルでも,メインテナンスが入りませんでした。
本題をかなり後回しにしていますが,高円宮杯のときの話です。
メインスタンド・サイドのタッチライン際。後半,浦和ユースが仕掛けを徹底したエリアでありますが,このエリアでは芝がめくれ上がったようなポイントが多数確認できました。そんな状態を,第2試合へ引き継いでしまったわけです。
たまたま,鹿児島城西,愛媛ユースともにサイドを主戦場とはしませんでした。そのために,直接的な影響は少なかったかも知れませんが,クラブ・ユースと高校チームが勝負を挑む,その舞台としては決してほめられたものではない,と思うのです。
芝目が鮮やかだったはずの駒場,そのピッチは相当に痛んでいました。10月には,ファースト・チームが戦う舞台となりますが,大幅なコンディション回復は望めないかも知れません。
ひょっとすればその原因,日刊さんの記事がヒントになるかも知れません。ということで,今回はそのものズバリ,ピッチの話であります。
ごく大ざっぱにまとめますと,鹿島の本拠地,そのピッチは「サマーパッチ(夏の斑点)」という状態に陥っているとのことです。その影響を受けて,本来のパフォーマンスを発揮できなかった,という話であります。
鹿島が本来のパフォーマンスを発揮できなかったファクタ,その中心にピッチがあるのかどうか,という話は置くとして。
どういう状態なのか,と調べてみると,理研グリーンさんのページにたどり着きました。
大ざっぱに言えば,サマーパッチはブルーグラスのみに「感染する」病気とのことです。これ以外に掲載されている病害も,病原菌にピッチが感染することによって発生します。なかなか日刊さんはピッチに造詣が深いのか,再び興味深い話です。
以前,駒場のピッチは全面冬芝,とシレっと書いた日刊さんの記事をもとに「駒場のピッチと解けた謎。」というエントリを書いたことがありますが,今回の日刊さんの記事,そして理研グリーンさんのページを足してみると,どうやら「何らかの原因」で駒場のピッチは病害にかかり,部分的にせよビーチになってしまった,ということになりそうです。
当然,ピッチ・メインテナンスが適切ではないから,病害にかかるようです。ただ,ピッチに接触するものも,残念ながら可能性を持っているとのことです。
たとえば,ですが。
すでにブルーグラス・サマーパッチや,ほかの病害に感染しているピッチ,そのピッチを踏みしめたスパイクが,再びどこかのピッチで「そのまま」使われていたとしたら。感染する可能性も,決してゼロではない,ということになります。
ピッチをメインテナンスするためのエキップメント,その手入れも重要です。そして,メインテナンスが適切に実行されることも。同時に,そのピッチでプレーする選手たちが使うエキップメント,その手入れもやはり重要な要素になりそうです。
「用具を大事に」。
どんな競技でも,最初に言われることだったりします。ひとによってはグローブだったり,あるいはシューズだったり。競技に対する愛着,という意味も確かにあるでしょうけど,別の意味もある,と言えるのではないでしょうか。
エキップメントを大事にすることが,結果として自分たちの舞台を大事にすることにつながる。そんなことが見えてくるようにも思えるのです。