ゾラさん、ハンマーズへ。
ディストリクト・ラインに縁のあるひと,とでも言いましょうか。
フルハム・ブロードウェイ駅から程近く,スタンフォード・ブリッジのピッチで強い印象を残したプロフェッショナル・フットボーラーが,今度はアップトン・パークのダッグアウトにマネジャーとして姿を見せるわけですからね。
ということで,今回は再びフットボールに話を戻しまして。
スポーツナビさんの記事をもとに,イングランドの話などを。
ジャンフランコ・ゾラさん,であります。
確かに,ナポリでの印象も鮮烈なフットボーラーですが,やはりイングランドびいきとしてはスタンフォード・ブリッジでの印象が強いですね。ちょうど,チェルシーが「多国籍化」に踏み切ろうとする時期と,彼の加入時期が重なっているように思います。そして,クラブもリーディング・クラブとしての基盤を構築しようとしていた時期,ですね。
国内タイトルで言えば,加入初年度である1996〜97シーズンにFAカップを奪取,続く1997〜98シーズンにはリーグ・カップ(この当時の名称は,“コカコーラ・カップ”)を獲得しています。このシーズン,チェルシーはUEFAカップウィナーズカップを戦い,このカップを手中に収め,(ちょっとオマケめいてはいますが)UEFAスーパーカップも手にしています。
というように,(フットボーラーとして,ではありますが)イングランドでの経験が豊かなひとです。
であれば,ハンマーズ首脳も彼の名前をリスティングしたのでありましょう。
ありましょうが,いささか不安な部分もあります。
「焦りと辞任と。」というエントリでも扱いましたが,プレミアシップは新任指揮官にとってシビアな環境になっているように思うのです。
もちろん,カービシュリーさんの二の舞を避けるべく,しっかりとクラブ・サイドとの関係を契約面などで明確化するでしょうから,現場サイドとフロントとの関係が必要以上に悪化することは少ないでしょうが,「結果」を引き出すまでのリード・タイムは間違いなく短くなっているように感じます。
また,ハンマーズはサポータの存在も無視できない要素です。
ディストリクト・ラインの反対側にいた人物,ということで,最初から蜜月というわけにはいかないでしょう。また,サポータの信頼を受けることができずに,アップトン・パークを去った指揮官もいたと記憶しています。
彼らの信頼をどれだけ早く勝ち取れるか。
マネジャーとしてのキャリア,そのはじまりが幸せなものになるかどうか。個人的には,幸せなものであってほしい,と願っています。