対鹿島戦(08−19A)。

朧気ながらにイメージしていたものが(まだすべてを,とは言わないまでも)姿を見せた,と言いますか。


 方向性がやっと,ピッチに表現できるようになった。そして,その方向性を押し出すために求められるだろうことも見えてきたように思えます。


 いろいろな意味で「屈曲点」になってくれるゲームではないでしょうか。


 ファイナル・スコアは1−1。奪取した勝ち点は1。確かにリーグ戦で最も重要なのは「数字」なのですが,チームとして表現すべき「形」が見えてきたことは,シーズンを戦い抜くためのフレームがしっかりしてきたような感じがしますし,数字よりも意味あることのように思えます。


 ということで,いつものように,な鹿島戦です。限定的な印象にとどまりますので,短めで。


 まず,センターラインが落ち着いたように思います。そして,チームがコンパクトさ,と言いますか,バランスの取れたコンパクトさを維持できる時間帯が増えつつあるようにも。


 そのために,やっと今季の方向性がピッチに表現できるようになってきたように感じます。


 チームの方向性は05シーズン以来のリトリートからの仕掛けを基盤とするプレッシングから,高い位置から仕掛けはじめるためのプレッシングへと転換しつつあるようです。その印象は,高原選手や達也選手が積極的にコースを切りに行くようなプレッシングを掛け与えていくことからもうかがえました。


 ですが,その先のイメージがどういうわけか,明確に表現できていなかったように見えるのです。また,「コンパクト」というイメージに,チームでもズレを生じていたのではないかな,とも。


 ごく大ざっぱな言い方をすれば。


 誰が,どこでボールを奪取するのか,が不明確だったように感じられたのです。ときに,中盤だったり,でも中盤と言うよりも最終ラインだったり。となると,最終ラインがどのような形でボール奪取に関与していいのか,迷ってしまうことにもなります。結果として守備応対が不安定になっていたようにも感じられたわけです。


 今節は,その不明確な部分に「約束事」を感じられるようになってきています。


 とは言え,「屈曲点」であれば,まだ立ち上がりの段階だろうとも感じます。前線から積極的に,と言うならば,ゲームを戦っていくためのリズムがより重要な要素になるはずですし,リズムの落ち込みを最低限に抑え込み,チームにギアチェンジを促すという意味で,戦術交代がより大きな意味を持つことになるはずです。


 少なくとも,08スペックの方向性は明確に表現できつつあります。


 この手応えをもとに,ショート・インターバルで熟成を進めていってほしいと思います。