協働効果を期待して(JFA新体制に思うこと)。
いきなりはじめますが。JFAの体制がほぼ決定でありますな。
小倉さんが副会長,というのはいい落ち着きどころです。
どなたかが指摘されていましたが,FIFA理事などを兼務していながらJFAのトップ,というのではいささか負荷が高すぎるかも知れません。だからと言って,外側に対するポリティクスは日本にとって「必須要件」ですから,一定程度以上の重みを持ったポジションでもあってほしい。
ゆえに,小倉さんが副会長でコンビを,というのはいい話です。
で,会長には浦和のボスだった犬飼さん,と。
浦和のボスだった時は,いささかリップ・サーヴィスが過ぎるかも,なんて思ったこともありましたが,持っているビジョンには確かに一貫性がありました。その一貫性をJFAというフィールドでも維持できるか,が求められるのでありましょう。
・・・まとめに入ってしまいましたが。今回は,こちらの記事(nikkansports.com)をもとに書いていこうと。
最大限好意的に言えば,伊達さんはジュニア層に対してどのように競技の魅力を伝えていくか,というノウハウ面での協力を仰ぐつもりなのでしょう(ちょっと強引)。
で,本題は平尾さんですけど。
確かに,スポーツ文化のことを意識したコメントは目にしますが,その反面で“オープン”なクラブ・マネージメントをしてきているという印象は薄かったりもします。対親会社,という意識は強く感じられるのですが,自分たちが本拠地を置く地域との関係だったり,プロフェッショナルとの関係性については,消極的なコメントを多く見ているようにも思うのです。であればむしろ,Jリーグが打ち出す「地域密着」を,企業チームという枠組みの中で具体化しようとしているワイルドナイツ,このクラブを昨季まで率いていた宮本さんあたりが適任ではないかな,と思うところはあります。
とまあ,ちょっと疑問もないではないのですけど。
でも,取っ掛かりとしては悪くないでしょう。
もうちょっと広く考えて,ラグビー・フットボールとの人事交流。
機能する可能性は高いかも知れませんね。いわゆる競技のことだけを考えるならば,アマチュアを主体としているラグビー・フットボールは決して理想型とは言えません。むしろ,代表チームを強化するためにはプロフェッショナル的な発想が強く求められる,と思います。ですが,クラブ・マネージメントという要素を考えると,答えは微妙に違ってくると思うのです。ラグビー・フットボールの世界も,フットボールのように「積極的に地域へと開かれた存在」へとクラブの姿を変えていく必要があるはずです。ワイルドナイツやジュビロが積極的に本拠地へと働き掛けてはいますが,その動きはまだラグビー界全体へと広がってはいない。逆に,フットボール界はプロフェッショナル化によって,ビジネス感覚を強く持った人材が少なくなっていくリスクを背負うことになります。ビジネス感覚を吸収する相手として,社業との関係を維持しているラグビー・フットボール界は意外と最適ではないか,と。
協働効果を期待しやすい環境にある,と思うのです。
どうしても,JFAの話ですから,視点はJFAからの話になってしまいますが,JFAにとっても,同時にJRFUにとっても悪い話ではないように思うのです。