Brand-new V-MAX.

ストレートなハンドル・バーに,低く構えたフォルム。


 ツアラーなFLHやスポーツスター,あるいはチョッパー・スタイルにカスタムされたものなど,いわゆるハーレー的な“アメリカン”ではないけれど,もうひとつのアメリカンな香りを強く漂わせるものです。ドラッグレース,であります。
 NHRAプロストック・バイクでは,さすがに空力特性などの問題があるのでしょう,ハヤブサやZX−12Rなどのフォルムを生かしたドラッグ・レーサーが活躍していますが,ライディング・ポジションには共通項が存在します。
 でも,それだけではない。猛烈な加速力を誇ってもいますが,ツアラーとしての適性も高い。
 それだけに,モデルチェンジは容易なことではなかったでありましょう。



 やっと(!!),モデルチェンジが実施された“V-MAX”であります。


 ごく大ざっぱに印象を言えば,1985年にリリースされたオリジナル・モデルの正常進化版だな,というものです。
 たとえば,ダミー・タンクの両脇に設置されるエア・インテークや,ボリュームを持ったサイド・カウル。あるいはヒューエル・リッドへのアクセスを兼ねたシート・ストッパーや,メガホン・スタイルのエグゾーストなど,オリジナル・モデルを特徴付けていたデザイン・キューが生かされ,それらが現代的な解釈によってアップデートされています。
 すごく楽しみなのでありますが,残念なことに現段階での日本導入はないようです。
 欧州市場,北米市場で先行投入,とのことですが,導入時期が10月以降のようですし,それまでに相当なウェイティング・リストが出来上がってしまいそうでもあります。そのために,輸入代理店としてもロット確保が難しいようなのです。また,日本導入に際して要求される騒音規制だったり,排ガス規制をクリアできるかどうか,という点も導入ができない背景にあるようです。
 ファースト・モデルのように,国内仕様が用意されるかどうか,なんとも分からないところがありますが,期待してしまうモデルであります。