やっぱりリッピ。

となると,再び葉巻姿が見られるわけですな。


 ダッグアウトに構え,戦況を見つめる姿に必ず,葉巻が付いてきているひと。デッレ・アルピでも,ジュゼッペ・メアッツァでもそんな姿が見られましたが,ベルリンのオリンピックシュタディオンでの姿を最後に,彼の姿はピッチサイドから見られなくなっていました。


 ・・・タイトルに書いているのですから,いつものように名前を書かないマクラを作ってみたところで意味はないんですけどね。


 マルチェロ・リッピさんであります。このリッピさん,毎日jp(毎日新聞)さんの記事にありますように,再びアズーリを預かるのだとか。今回は,ちょっとリッピさんとアズーリのことなどを。


 まずは,アズーリであります。


 欧州選手権の戦いぶりを思えば,ロベルト・ドナドーニさんが退任(実質的には“fired”だと思いますが。)するのはやむを得ないところがあるかな,と思います。と言っても,セカンド・ラウンドでのペナルティ・シュートアウトがトリガーだったとは思えません。むしろ,グループリーグでの戦いぶりに,FIGCサイドが相当な不満を持っていたのではないかな,と思うのです。


 リーグ,という名前は付いていますし,確かに他力の要素も関わってくるのですが,「短期決戦」の要素も強く持ったリーグ戦です。それだけに,初戦は重要です。にもかかわらず,初戦で大敗を喫してしまいます。オランダを相手に30年ぶりの敗戦,ということもありますが,セカンド・ラウンドへの加速態勢を作るべき初戦でフル・ブレーキングするような状態に陥った,ということの方がより重要ではなかったか,と思うのです。恐らく,第2戦は初戦の影響を受けているはずです。フランスが同じようにスタート・ダッシュに失敗してくれたおかげで,セカンド・ラウンドへの切符をつかむことができはしましたが,褒められる話ではありません。2006年には,ジュール・リメ・トロフィーを奪取しているチームが,予想外のストールを起こし,ギリギリでファースト・ラウンドを通過したわけです。


 これでは,ドナドーニさんに任せるという判断にはならないでしょう。で,リッピさんに再びアズーリを預けよう,となったのでありましょう。


 ふと思うのは,ビル・シャンクリーさんの逸話です。彼はフットボール・コーチとしてのキャリアを終えたあとも,トレーニング・グラウンドへと足を運び続けていたのだと言います。フットボール・コーチとしての経験を持っているひとにとって,ピッチサイドというのはまさしく,「居場所」なのでしょう。


 いつかは,ピッチサイドに戻ってくるだろうと思っていたひとが,やっぱり戻ってきた。2006年の時のようなアズーリを再び見られるか,楽しみにしたいと思います。