スティーブ、トゥヴェンテへ。
欧州選手権を逃した,その原因とされるひと。
ではありますが。
ピッチで勝負を繰り広げるタイプと言うよりは,何かを構築していくタイプ。最大限好意的に解釈するならば,そんな印象を受けるひとです。
で,新たな活躍の舞台は,エールディビジ。
ということで,イングランドに関係した話を。スティーブ・マクラーレンさんが,エールディビジを戦うトゥヴェンテの監督に就任しました,という時事通信社さん配信の記事であります。
スティーブ・マクラーレンというと,やはり個人的には,スヴェン・ゴラン・エリクソンのアシスタントと言うよりも,オールド・トラフォードのダッグアウトに,アレックス・ファーガソンと並んでいる姿の方が強く印象に残っています。
戦術的な側面だけを取り出してみれば,恐らく有能なコーチでありましょう。サー・アレックスにしても,スヴェンにしても戦術的な部分を評価してコーチへと据えたはずです。
しかし。戦術的に洗練されているだけで,ヘッドコーチが務まるとも思えない。イングランド代表監督の時もそうでしたが,中途半端に持論を押し通してみたり,また中途半端にその持論を翻してみたり。チームに対して最終的な責任を負うはずのヘッドコーチが揺れてしまっては,チームが揺れないはずがない。
プレッシャーが強すぎたのかも知れません。
イングランドを代表するビッグクラブで,プレッシャーを感じながらマネジャーを務めていたわけではないから,無理なジャンプ・アップという印象も強かった。結果で最終的な評価がされる世界で,実際にその印象が覆ることがなかったわけです。でありますれば,エールディビジという舞台はスティーブにとって,再起を期すには的確かも知れません。トゥヴェンテの過去数季の成績を眺めてみると,中位から上位を狙いながら時に中位に沈んでしまう,という「波」を持ったクラブに見えます。そのクラブから波を消し,上位クラスに定着できることを狙うのが,スティーブに課せられたタスクでありましょう。
再び,ミドルスブラ時代のようにクラブを引き上げることができるか。2008〜09シーズンからの数季が,スティーブのキャリアを決定付けるというと大げさかも知れませんが,そんな感じもどこかでします。