Checkmate (2008 Stanley Cup Finals).

古豪になりかけた強豪。


 2001〜02シーズンにスタンレー・カップを奪取すると,その後6シーズンにわたってカップから遠ざかる。ともすれば忘れ去られてしまうかも知れない,「かつての強豪」ではなく,現在進行形としての「強豪」であることを示すためにカップを奪取する。そんな意識もあったでしょうか。 


 今回は,フットボールを離れてアイスホッケーであります。



 スタンレーカップ・ファイナルズを制したのは,やはりこの短期決戦において先手を取ったデトロイト・レッドウィングスでありました。
 歴史的には,かなり古いクラブです。NHLに参戦したのは,1926年。いわゆる,“Original Six”と呼ばれるクラブのひとつです。でありますれば,スタンレー・カップ獲得回数も(今季のスタンレー・カップ奪取を含めて)11回を数えます。アメリカン・スポーツではなかなか難しいように思われる,“Champions”という称号の防衛にも成功しています。加えて言えば,スタンレーカップ・ファイナルズへと駒を進めた回数を含めて考えれば,「強豪」であり続けた時間はかなり長いのです。
 そんな強豪が,6シーズンぶりにカップを掲げた。いや,実際には「掲げる」と言うよりは,「持ち上げる」ようなものでしょう。


 “Champions”にのぼりつめたクラブ,その名前を刻み込むためのリングが付け加えられ続けたために,実際には小さいはずのスタンレー・カップは,驚くほどの大きさになっています。そのリングに,“Detroit Red Wings”というクラブ・ネームが再び刻み込まれる。昨季は,アナハイム・ダックスという若きクラブが初戴冠を経験し,今季は歴史を持つ強豪がカップを手にしました。
 レッドウィングスからしてみれば,1997〜98シーズン以来のカップ連覇が目標となることでしょう。彼らの目標が達成されるのか,それとも強力な加速態勢を持ったクラブが彼らの目標を蹴散らすのか。


 ちょっと気の早い話ではありますが,2008〜09シーズンも面白そうだな,と思ったりするのであります。