Victoria Concordia Crescit.

2002年まで,ガンナーズのエンブレムにあったフレーズです。


 “Victory grows out of harmony.(調和によって勝利は導かれる)”,あるいは“Teamwork boosts victory.(勝利の原動力はチームワークにある)”という意味になります。


 確かに,浦和にとってのヤマザキナビスコカップは実質的に終わっています。また,対戦相手である名古屋にとっても,決勝トーナメント進出を決めているだけに,最終節はテストという意味合いを強くするゲームになるかも知れません。


 ですが,相手に合わせるように「消化試合」にするべきゲームではない,と思っています。


 消化試合と位置付けられてしまうような試合だからこそ,勝利にこだわってほしいと思います。何よりも,「勝ち点3」を奪うことなく2008シーズンのヤマザキナビスコカップを終了した,というレコードを残すわけにはいかない。そのためにも,勝利を導くための重要な要素をピッチから感じ取りたい。


 フットボールに限らず,どんな競技でも「楽しむ」ことは重要な要素です。ですが,本当の意味で「楽しむ」ためには勝たなければならない。局面で楽しめたとしても,結果で相手の後塵を拝すれば楽しくないのだから。


 ピッチに立つ選手,ひとりひとりがフットボールを本当の意味で「楽しむ」ためには何が必要なのか。端的に表現していたのが,ガンナーズのエンブレムにあった,このフレーズであるように思うのです。


 ある意味,最終節が組織的なフットボールを展開するクラブというのは幸運かも知れません。彼らのフットボールとぶつかり合うことで,チームが化学変化を起こす可能性もある。その化学変化を感じ取りたい。


 “Concordia”(つまりは,“Teamwork”であり“Cooperation”)をピッチから明確に感じ取れるゲームを。その先に,フットボールという競技を楽しむことができるのではないか,と感じます。