対名古屋戦(グループリーグ第4節)。

「勝ち点3」を奪取することが求められる試合だったことは確かなこと。



 ですが,「勝ち点」を奪取することだけを意識した,現実主義的なチーム・ビルディングを徹底することの揺り戻し,のような試合にも思えるのです。



 グループリーグ第4節であります。

 あくまでも,限定的な印象にとどまりますので,短めで。



 立ち上がり,がすべてだったように思います。

 フワッと立ち上がった,というのではなくて,むしろ先制点を奪取したいという意識に強く傾きすぎて,守備的な部分で対応がズレを生じたように感じられます。

 守備的なズレが生じてしまうと,相手が持っている4のアドバンテージ(アウトサイドでの物理的な数的優位)を生かされてしまうことにもなる。



 前半,立ち上がりの時間帯から掌握されてしまったリズムを引き戻せなかったのは,この数字の持っている要素も大きかったように思うのです。

 

 ・・・実質的な部分を冷静に見れば,決勝トーナメントは厳しい立場です。



 ただ,2試合で「思い切った実験」を仕掛けることもできるように思うのです。

 浦和のチーム・ビルディングは組織性を絶対的な基盤とするものと言うよりは,ひとりひとりの選手が持っている潜在能力やパフォーマンスを基盤として意識し,そのパフォーマンスを最大限に引き出すために組織的な要素を落とし込む,というアプローチに見えます。



 それだけに,「浦和」として表現すべきパフォーマンスが,戦力によって左右される振れ幅が大きい。



 その振れ幅を小さくするために,戦術的な要素を強く意識付けする方向性が指向されてもいいし,3を基盤とするパッケージによって自らのストロング・ポイントを押し出すことだけでなく,4を柔軟に採用することで相手のストロング・ポイントを抑え込む方向を意識付けしてもいい。



 後半のパッケージを前半から採用する,という方向性を押し出してほしい。

 浦和と4との親和性はそれほど高くはないとしても,相手のストロング・ポイントを抑え込み,守備的な部分で意識を束ねるという効果があるならば,柔軟に採用していく価値はある。また主力にも,リザーブにも4に求められる要素を理解した選手はいる。



 「個」が重要な要素であるのは言うまでもないが,個が大きく欠けたときにチームとしてのパフォーマンスを大きく低下させないためには「組織」としてチームが機能することが求められるはず。

 この部分を意識した戦いを,と思うところがあるのです。