未知を吹き飛ばす加速力を。

つい先頃までは,“Unknown”ではなく“To Be Nominated”だったわけですが。


 クアラルンプールでのカップタイ・ドローで,ノックアウト・ステージ初戦の相手はクウェートのアル・カドシャに決定しました。中東勢,であります。


 なれば,未知なのは対戦相手ではありません。ということで,今回はAFCさんのニュース記事(英語版)をもとに。


 「未知」。要するに“unknown”であります。
 

 “unknown”という単語は,今季浦和が過酷なグループリーグを経験していないということが,アル・カドシャ(クウェート・リーグを11回制覇しているクラブ)に有利に働く可能性がある,というエディターさんの指摘につながっているように感じます。


 この懸念に対して,山道さんはこんなコメントを残しています。ごく大ざっぱに日本語に戻すとすれば,

 グループステージを今季戦っていないというのは,ちょっと不利に働く可能性があるかも知れません。昨季は,決勝へ向けて(1戦1戦を戦っていくことを通じて)流れをつくっていくことができたのですから。


という感じになろうか,と思いますが,確かにそういう側面はあったでしょう。


 ですが,グループリーグとノックアウト・ステージは性質が違うのも確かではないかな,と。グループリーグはその名の通り,リーグ戦ですから自力の要素と他力の要素が絡み合う可能性を残しています。ですが,ノックアウト・ステージは加速力勝負の側面を持っている。グループリーグ突破の流れをそのまま持ち込めるか,と言えば,微妙なところがある,とも言えるはず。


 ノックアウト・ステージからの参戦は,100%のメリットではないかも知れないけれど,グループリーグを戦っていないことが100%のデメリットということもまた言えない,というのがフェアだろう,と思うのです。


 この記事を締めくくる,山道さんの

 そうはいっても,われわれはこの試合(アル・カドシャとの準々決勝)に向けて良い準備をしていきます。


というコメントこそ,最も大事なことだろう,と思うのです。


 徹底したスカウティングに向けて,情報収集に動く姿勢を見せているように受け取れますし,スカウティングから相手の戦術的な傾向を洗い出すだけのリードタイムはしっかりと残されているはず。また,加速態勢を築くためには自分たちのフットボールが深まっていることも大きな要件になるはずです。


 相手のことも重要な要素ですが,まずは自分たちのこと。


 ノックアウト・ステージ初戦でどれだけの加速態勢を見せ付けることができるのか。ちょっと気の早い話ですが,期待であります。