着地点。

「前例を考えずに」とは,1000万円という枠を意識はしないという意味でしょう。


 問題の発端がどこにあったか,はG大阪サイドでクリアすべき話でしょう。決して看過して良いことではありません。


 対して,スタジアムで発生した事案に関しては,主管クラブである浦和に運営責任がかかってきます。事態が大きくなってしまったということを思えば,リーグサイドからの処分が厳しいものだと想定できます。


 ということで,今回はこちらの記事(デイリースポーツ)をもとに。


 この記事で注目したのは,

 無観客試合や勝ち点はく奪には否定的だった。


という短いセンテンスです。


 厳しい責任を問うべき,という考え方を持っているひとからすれば,無観客試合や勝ち点剥奪という選択肢も排除すべきではない,と思われるかも知れません。ただ,「フーリガン的な発想」を徹底して排除する,という前提に立つならば,このチェアマンの姿勢は妥当性を持ったものではないか,と思うのです。


 今回の問題,その発端には試合開始前から継続していた挑発行為があります。原因行為に対して,確固たる処分があっても当然でしょう。そして,今回の挑発行為は試合開始前からハーフタイム,そして試合終了後と継続してしまった。抑え込むタイミングとしても,複数のタイミングが想定できるのですから,運営責任が厳しく問われるのもまた,当然でありましょう。


 でありますれば,厳しい処分が下ったとしてもやむを得ないことです。といいますか,運営責任が厳しく問われて然るべき,でしょう。


 ただ,「勝ち点剥奪」までが伴ったとすれば,挑発行為を行った人間に「勲章」を結果として与えてしまうことになるはずです。「自らを犠牲にして相手クラブから勝ち点を奪ってやった」という勲章を。


 処分を下したはずなのに,決して許してはならない挑発行為に「意味」を与えてしまいかねない。そして,リーグ終盤のような大事な時期に,同じような挑発行為を意図して仕掛け,相手の運営責任が問われるような事態にまで追い込む,という発想を持った,正真正銘のフーリガンを生み出しかねない。


 リーグ戦の根幹を揺るがすかも知れない「種」を蒔くことになりかねないのです。そんなバカな話は何としても回避しなければならない。当然のことです。


 責任の所在を明確にすることも重要ですが,同時に「悪しき欧州基準」を踏襲し,影があまりにも濃いスタンドへと姿を変えてしまうことのないように,リーグとして今回の問題を考えていかなければならないのでは,と思うのです。