ルーテメラーさんの短期講座。

かなり,意味のある時間になるでしょうね。


 知識としてのチーム・ハンドリングではなくて,実際の経験に裏打ちされたチーム・ハンドリングであったり,戦術的な感覚を吸収するために。


 となりの芝から,軸足を再び“ホーム・ポジション”に戻しまして,今回は浦和にドイツの頭脳が「臨時コーチ」(nikkansports.com)との記事をもとに。


 どこかで見覚えのある名前だな,と思って,フットボール・ジャーナリスト(このケースではフットボール・コーチと言うべきでしょうか。)である湯浅さんのサイトをチェックし直してみると,やはりありました。


 湯浅さんは,エーリッヒ・ルーテメラーと表記していますね。


 そのルーテメラーさんでありますが,ルディ・フェラーがヘッドコーチを務めていた時期のドイツ代表チームでコーチの役割を果たし,湯浅さんのページではプロフェッショナル・コーチ養成コースを含むすべてのコーチ養成コースについての総責任者です。つまり,結果が厳しく求められ,それだけにシビアなチーム・ハンドリングが求められる世界を経験していると同時に,すべての年代を俯瞰的に意識し,それぞれのカテゴリで活躍するフットボール・コーチに必要となる資質,その資質を引き出すためのプログラムを組み立てる役割を担ってきた人物,とも言えるわけです。


 彼が,コーチング・スタッフ(恐らくは,ファースト・チームを担当している広瀬さんや池田さんたちでしょう。)の指導を行う,とのことでありますから,浦和に対するフィードバックもかなり大きいのではないか,と思います。特に,チーム・ハンドリングという部分では代表コーチとしての経験に裏打ちされた部分が浦和に対して意味を持ってくれるのではないかな,と期待しています。


 確か,コーチング・ライセンス取得に際しては,メンタル・マネージメントという部分から心理学などの知識が要求されるはずです。ただ,理論的な側面が重要なわけではない,とも思います。どのようにして,選手ひとりひとりのモチベーションを引き出し,彼らが持っている潜在能力や実際のパフォーマンスをチームとしてのパフォーマンスへと結び付けていくか,というように「実戦に即した知識」として心理学的な要素が位置付けられていなければならないように思うのです。


 そして,ディシプリンと自由のバランスをどう見極めるか。


 チームとしての方向性を一致させるためには,規律という側面は無視できません。ですが同時に,独創性があまりに抑え込まれてしまえばチームが持っているはずのダイナミズムは失われてしまうのも,確かなことでしょう。


 このような部分は,なかなか感覚的だろうと思いますし,一般的な原則として落とし込めるようなものではないかも知れません。ですが,実戦経験に裏打ちされたアドバイスはどこかに響くだろう,と思いますし,必ず意味を持ってくるはずだと思います。10日間と短期ではありますが,収穫多き「講習」であることを期待したいですね。