Title for United.

最終節で,すべてが決まる。


 基本的に,リーグ戦の最終節は同時刻開催が貫かれていますが,今季ほど同時刻開催であることの意味が明確であった時は,そうないでしょうね。


 自分たちが全力を尽くして,「勝ち点3」を奪う努力を続けていかないと,リーグ・テーブル,その階段を上がっていくことは難しいでしょう。ですが,リーグ戦では自力の要素だけが作用するわけではありません。他者との関係の中で,最終的なポジションが決まっていきます。相手が落ちてくれば,相対的に階段を上がっていくスピードは速まります。


 また,日程というアヤもあります。


 都合よく,「眼下の敵」との直接対決が組まれているわけではありません。直接対決は,物理的に獲得できる勝ち点を超えた意味を持ちますが,そのタイミングは常にいいわけではありません。ここでも,「他力」の入り込む余地はあるのです。


 第37節を終了して,勝負権を持っていたクラブは2。しかも,プレミアシップ・ポイントが並んでいる。


 まさしく,自力の要素と他力の要素が複雑に絡み合いながら,リーグ戦最終節を迎えたわけです。そして午後3時(もちろん,GMTですね。),“Moment of Truth”を告げるホイッスルが響くことになるのです。



 ・・・まあ,タイトルでバレバレなのですが。


 プレミアシップ・タイトルを奪取したのは(と言いますか,何とか抑え込んだのは)マンチェスター・ユナイテッドチェルシーを振り切った形ですね。表面的には,追い掛ける側(つまりは,チェルシー)が有利であるように映ります。追い込んできたチェルシーに,何とかして逃げ切りたいユナイテッド,と見れば,心理的に余裕がないのはユナイテッドではないか,と。


 ただ,ユナイテッドは有利な要素を持っていました。得失点差,であります。


 眼下の敵であるチェルシー,彼らが最終節で奪取した勝ち点,最低でもその勝ち点を維持することができるならば,得失点差に意味を持たせることができるわけです。


 そんなことを思っていたのですがね。


 鍵を握る選手がしっかりと仕事をしてくれたな,と。そして,最終的にカップを引き寄せたのは,ユナイテッド生え抜きの選手である,ライアン・ギグスカップ奪取よりも,ユナイテッドとともにキャリアを積み重ねてきたギグスが,タイトルを最終的に引き寄せた,ということが私にとってはうれしいことだったりするのです。