Conference Finals.

というよりは,“Semi-Finals”が正確では?と思ってしまいますね。



 レギュラー・シーズンはしっかりとリーグ戦を戦うのですが,このリーグ戦ですべてが決するわけではありません。であるならば,リーグ戦で首位を奪う必要性は必ずしもないのです。少なくとも,QFに進出できる8位以内に収まっていればいい。



 むしろ,ポスト・シーズン(PSG)を強く意識したチーム・ハンドリングが求められるのです。



 たとえば,レギュラー・シーズンを上位で乗り切ったとして。

 レギュラー・シーズンを終えた途端にチームのコンディションが低落傾向に入ってしまうようでは,“スタンレー・カップ”を掲げることなどできません。ここからがシビアな戦いの連続なのです。



 いわゆるヨーロッパ的な,総合力を厳しく問われた結果としてのカップやシャーレではありません。カンファレンス段階で戦われるQFやSF,そしてカンファレンス・ファイナルズという短期決戦を勝ち抜ける能力であり,短期決戦が繰り返されるというリズムの中で加速態勢を築き上げることのできるクラブが,スタンレー・カップを高く掲げることができる,ということになると思うのです。



 レギュラー・シーズンがあまりに軽く見られている。



 そう思うところも確かにありますが,レギュラー・シーズンでの移動距離を全米規模で考えると,ともすれば欧州カップ戦どころではなくなる,かも知れません。



 それ以上に。



 対戦相手に対する徹底したスカウティング,戦術的な要素へのスカウティングの落とし込みや戦術面でのオーガナイズなど,短期決戦に伴う難しさを乗り切らないことにはカップを奪取することはできません。

 しかも,加速態勢を整えて短期決戦を乗り切ったら,再び次の短期決戦への準備に入る。このリズムをつかむことも必要であるはずです。



 これはこれで,魅力的なトーナメント形態ではなかろうか,とも思うのです。



 ほぼ1年ぶりのNHLに関するエントリ,であります。



 アメリカン・スポーツは基本的に,「戦力均衡」という発想がありますから,特にMLBにおいては古豪という言葉は当てはまるのだけれど,なかなかリーグで覇権を握り続けるクラブ,というかチームが出てこない傾向があります。



 NHLも例外ではなく,昨季覇者のアナハイム・ダックス,そしてダックスとスタンレー・カップを争ったオタワ・セネターズもレギュラー・シーズン8位以内(カンファレンス・クウォーターファイナルズ進出)を確保はしましたが,トーナメントを駆け上がっていくことはできませんでした。



 で,スタンレー・カップに向けた最後の関門であります。



 イースタン・カンファレンスでは,ピッツバーグ・ペンギンズフィラデルフィア・フライヤーズが最大7ゲームの短期決戦を戦い,ウェスタンではデトロイト・レッドウィングスダラス・スターズが地区覇者の座を賭けて戦っており,レッドウィングスが先手を取っている(第1戦(アウェイ)を4−1で勝利)という状況です。



 また,中間地点,そしてスタンレー・カップ・ファイナルズへの進出クラブが決定した時点で触れていこう,と思っています。