Speed Triple.

トム・クルーズがライディングしていたバイク,であります。


 と言っても,GPZ900R(Ninja)ではありません。・・・“TOPGUN”ではいささか古いですね。失礼しました。と言いますか,Ninjaの話ではなくてですね(忘れたころに,しようかと思いますけど)。



 “Mission Impossible”でありまして。トライアンフの“スピードトリプル(Triumph Motorcycles)”であります。


 トライアンフというと,スティーブ・マックイーンがライディングしていたオフロード・モデルを新たに仕立て直した“スクランブラー(Triumph Motorcycles)”や,“ボンネビル(Triumph Motorcycles)”のようなちょっとクラシカルなバイクを思い浮かべるひとが多いかも知れません。
 ですが,現代的なモデルもしっかりとリリースしておりまして。その代名詞が,“スピードトリプル”なのです。


 このバイク,“street fighter”なんてカテゴリに入るとされます。このカテゴリ,メーカが主導したものではなくて,バイク・フリークが作り出したものだったりするのです。


 たとえば,でありますが。
 まだ,GSX−Rが油冷エンジンを搭載していた頃のこと。このバイクのカウリングを外して,繊細なフィンが刻まれた油冷エンジンとアルミで仕立てられたダブルクレードル・フレームを見せようとしたひとがいました。ここまでならば,単純なネイキッド,です。そのネイキッドにツイン・ヘッドライトを装備したり,異なるスポーツ・モデルのヘッドカウルなどを組み合わせるバイク・フリークが現われたのです。もちろん,マシン性能を引き上げる方向性でのモディファイも施されている。このモディファイされたバイクをして,ストリート・ファイターであります。
 この成り立ち,欧州のバイク・メーカにはインスパイアされる部分が大きかったのでありましょう,単純なネイキッド・モデルというよりは,ベース・モデルが持っているスポーツ性を必要最低限度でディチューンしながら,公道での機敏さや楽しさを強く意識したモデルを仕立てるようになったわけです。
 このUKメイドのバイクは,1050ccの3気筒という,特徴的なエンジンを搭載しています。2気筒のようなトラクションを感じさせつつ,同時に4気筒のようなスムーズさを狙う。1気筒あたりの爆発力がかなりありますので,独特なフィーリングがかなりハッキリと感じ取れるのではないかな,と。
 そして,足まわりは他社ならばスーパースポーツ・モデルで採用しそうなスペックです。


 公道での楽しさを強く意識した,個性的なバイク。さすがに輸入車ですので,オイソレと手出しのできるプライス・タグではありませんが,魅力的だな,と思います。