ロレンツォ、初優勝!
ある意味,最高の教科書がいるわけですよ。
彼の表現は,少なくとも分析口調ではないようです。
マシン・セッティングに関して“sweet”かどうか,なんて判断基準を持っているくらいですから。
でも,繊細なセンシング・ディバイスを持っているだろうこともうかがえる言葉です。確かに,ライディング・スタイルだけを見れば「天才」という言葉が浮かぶけれど,マシン・セッティングなどに対する姿勢をメディアなどから読む限り,すごく理知的な姿も見えてきます。
そんなチームメイトに刺激を受けているでしょう。
そして,その刺激は参戦3戦目にしてポディウム中央という結果を叩き出す。
今回は,フットボールを離れて,ちょっとmotoGPの話など。
開幕戦であるカタール・ラウンドではナイト・セッションでのレースでしたが,第3戦は通常の形に戻りまして,ポルトガルのエストリルであります。
このラウンドで優勝を飾ったのが,ヤマハ・ファクトリーのホルヘ・ロレンツォ。
獲得ポイントを通算すると61で,レプソル・ホンダのダニエル・ペドロサに並びます。ですが,このラウンドでの優勝によってシリーズ・ランキングで首位に立ちます。
レースの流れなどに関しては,ヤマハさんのレース・レポートがなかなか詳しく書いてくれていますので,こちらをご参照いただくとして,長くヤマハのエースとして君臨してきたロッシを追い詰め,しっかりとパスした上での成績ですから,これは評価の対象でありましょう。
ヤマハ・ファクトリーのパッケージは,今季はちょっと独特でして。
同じチームでありながら,複数のタイア・サプライヤーとの関係を持っているのです。ロレンツォ・サイドはミシュラン,対するロッシ・サイドはブリヂストンなのであります。コレ,昨季のドゥカティ-ブリヂストンというパッケージを,ロッシが相当強く意識していたことの表れでしょう。
マシン・セッティングの基本的な方向性は恐らく共有されるのでしょうけれど,タイアの特性が違うはずですから,コースによる相性が微妙に違っているはず。
また,ロッシのコメントにもあるように,まだタイアとの相性をつかみきっていないようでもあります。
それでも,ヤマハは今季,ファクトリー・ポイントでリードを奪っています。
ドゥカティが不思議と失速しているのが気になりますが,シーズン中盤あたりで勢力地図にどのような変化があるか。新鋭が早速存在感を見せ付けているだけに,楽しみです。