KITTなシェルビー。

かつてのベース車両は,GMが担当していました。


 ポンティアックトランザム,であります。そのノーズ部分をモディファイして,特徴的なフラッシュライトを装着しています。当時は,北米市場を強く意識していたフェアレディZを含めて,ですが,Tバー・ルーフを採用した車種が多く,トランザムもそのひとつでした。そんなエクステリアの特徴を生かして,射出シート,なんて装備がされていたような。


 インストルメント・パネルも大幅なモディファイが実施されているのですが,いまにして思えば,ちょっとリアリティという部分では物足りないところがありましたね。また,シートの強度が足りなかったのか,シートバックがガタついていたような記憶もありますね。


 トレーラーから出てくるシーンを記憶されているひともおられるでしょう。“ナイト2000”であります。そのナイト2000,今度は“ナイト3000”として復活とのこと。ということで,今回は,フットボールから離れた話など。





 さて,今度のキットさんはフォードであります。市販車的に言うならば,フォード・シェルビーGT500KRであります。


 KRというコードを見て,“Knight Rider”?と思われるかも知れませんが,実際にはそうではありません。1968年にも,まったく同じGT500KR(King of the Road)というモデルが存在していて,そのモデル・ネームを継承しているのです。とは言え,さすがに427キュービック・インチ(サイドオイラー)だとか,428キュービック・インチ(ポリス・インターセプター)などという大排気量エンジンまでを継承するわけにはいかないのは当然です。ごく大ざっぱな言い方をするならば,フォード・マスタングの最高峰モデル,という位置付けですね。


 そのモデルをベースに,今度のKITTさんは仕立てられたとのことです。で,劇用に仕立てられたのは市販車のスタイリングに限りなく近い“ヒーローモード”と,外装にモディファイが加えられている“アタックモード”の2台です。この2台が同時に,オークションに出品されたのだとか。


 2008年秋に開始するTVシリーズ,そのプロモーションの一環とのことですが,落札額である30万ドル相当のプロモーションとなったかどうか。


 それはともかくも。


 ちょっとレトロなスタイリングに,さらにレトロなカラーリング。オリジナルよりもちょっとだけ低いライドハイトに,迫力を感じる,「復活版マッスルカー」であります。エコロジーの時代に,大排気量車というのもちょっと・・・,と思わないでもないけれど,アメリカ車の魅力を端的に表現しているクルマだな,とも感じます。