対清水戦(08−04A)。

一時は相手に掌握されかけたリズム。


 そのリズムを再び手繰り寄せ,ゲームを振り出しに戻す。そして“ギア・チェンジ”に成功したことで,主導権を掌握することに成功する。


 「勝ち点3」を続けて奪取できたことも大きいのですが,今節において示した「復元力」がチーム・コンディションが上昇しつつあることを示しているものではないか,と感じます。


 まいど,1日遅れの清水戦(アウェイ)であります。ごく限定的な印象にとどまりますので,ちょっと簡単に。


 立ち上がりはまだ,不安定さを抱えているな,という感じですね。


 守備ブロックとディフェンシブ・ハーフがどのようなバランスでゲームに入っていくか,という部分でまだイメージが固まりきっていないのかも知れませんが,チームをコンパクトな状態に維持するのは難しいようです。その,ちょっと「間延びした状態」を相手に突かれ,カウンターから先制点を奪われる。


 相手にリズムを掌握されているようにも感じられましたが,30分を経過するあたりの時間帯から,リズムを引き戻しつつあるように感じられました。そして,ハーフタイムを挟んで,戦術交代による“ギア・チェンジ”を仕掛ける。


 攻撃面での連動性が高まり,守備面では守備ブロックとしてのバランスが安定してくる。これらの基盤によって引き戻しはじめていた主導権を手元に引き寄せていく。「組織」のエッセンスが見えてくることで,「個」の持っているパフォーマンスがしっかりと意味を持つようになる。


 ・・・「縦」方向への流動性を思えば,決して奇策ではなくて論理的な帰結。


 前節のパッケージを崩さずにアウェイ・マッチへと臨んだことで,そんな部分が見えてきたように感じられます。守備面でのバランスを見出すまでのタイム・ラグがもうちょっと短くなれば,などのリクエストは確かにありますが,コンディションを落としていたときの浦和に,決定的に欠けていた要素を端的に表現してくれるタレントであることも間違いありません。


 彼が積極的に「縦」を狙うことで,攻撃に連動性と幅が出てくる。


 08シーズンを戦うにあたって,攻撃ユニットと守備ブロックとを有機的につなぐ“リンクマン”が見えてきた。08スペックの基盤となるフレーム,その開発の方向性が明確に定まり,熟成・進化という段階へと入ることができる。そのきっかけであるように思えます。