対京都戦(グループリーグ第2節)。
再構築段階,であります。
攻撃面では,ある程度方向性が見えてきている。
ただ,どのようにして「攻撃の端緒」をつかむか,という部分で戦術的な整理がまだ徹底されてはいない。
「勝ち点2」を失い,そして「勝ち点3」を奪取できなかったことでチームにポジティブな心理効果をもたらすことができなかったのは確かに痛いですが,08スペックを決定付ける課題を明確につかめた,という見方も成立するはずです。
グループリーグ第2節,京都戦であります。
ちょっと遅れておりますれば,ちょっとだけいつもより短めに。
後半立ち上がり,浦和は失点を喫します。
相手は,前半とは違った戦術パッケージを採用してきます。
そのパッケージに対して,守備面での微調整が遅れてしまった。
リードを奪っているわけですから,自分たちのリズムを後半立ち上がりに際しても押し出せればいいのですが,相手のシステム・チェンジに対して後手に回ったことになります。
“ゲーム・マネージメント”であります。
ありますが,もっと限定的に“エリア・マネージメント”という部分でまだ共通理解が深まっていないという部分を示しているように感じられます。
相手が仕掛けてくるエリアを絞り込むようなファースト・ディフェンスが,なかなか仕掛けられない。といいますか,ボール奪取に対するイメージがまだ流動的なのでしょう,中盤でどこまで相手ボール・ホルダーに対するプレッシングを掛け与えていくのか,という部分が徹底されていないように感じられます。
たとえば相手ボール・ホルダーを巧みに追い込み,ディフェンシブ・ハーフ,あるいは最終ラインでボールを奪取するという明確なイメージがあるならば,前線〜中盤にかけてのプレッシングはボール奪取までを意識したプレッシングには基本的にはならず,パス・コースを限定するような形になるはずです。
ですが,ボール・ホルダーに対して,どのようなプレッシングを仕掛けるのか,どのポイントでボールを奪取するのかという部分で,戦術的なズレを生じているように感じられます。
そのために,ファースト・ディフェンスが最終ラインでの守備負担を軽くする方向に機能しないし,最終ラインが抱える問題点をそのまま露呈させることになります。
となれば,相手は最終ラインが抱える問題点を的確に突いてくるし,そのことがさらに最終ラインでの守備応対を不安定にしてしまう。
ボール奪取に関する不明確さを持っていることが,攻守両面での安定性をかなり奪っているように感じられるし,「自分たちのリズム」で戦える時間帯を少なくしてしまっているように思えます。
08スペックを構築するためには,「攻撃の端緒」に対する明確な型であったり,戦術的なイメージを構築することが重要であるはずです。
ここに関わる課題が明確になったのが,京都戦であるとも言えるはず。
攻撃面で一定の可能性をつかんだタイミングだからこそ,その攻撃をリアクティブに仕掛けるのではなく,自分たちから仕掛けるための「守備的な要素」を整理したい。
京都戦から,リーグ戦が再開する新潟戦までの1週間が,08スペックの方向性を決定付けるために重要なものとなるのではないか,と感じます。