テスト・セッション、なカップ戦。

結果として,そうなる可能性は高いでしょうね。


 ただ,かなり意味のあるテスト・セッションであることは言うまでもないと思います。


 しかも,グループリーグ初戦は代表勢が欠けている。「個」に過度の依存をすることなく,同時に「個」の持っているパフォーマンスを引き出すための組織性を構築するためのきっかけとして初戦,そしてグループリーグを使うべきだろう,と思っています。



 20日から開幕するリーグ・カップ,“ヤマザキナビスコカップ”であります。


 さて,本格的なリスタートがカップ戦。注目すべきは,「勝ち点」もそうですが,もっとシーズン全体に関わることになるでしょう。


 端的に言ってしまえば,最も優先されるべきリーグ戦において「勝ち点6」を自壊から失ったチームが,どこまで再構築されているか,が試されるゲームだろうと思います。
 まず,フレームを失ったに等しいチームに,どのようなフレーム・ワークを施してくるのか,でありましょう。浦和と3バック・システムは比較的長い付き合いをしてきていますが,“エリア・マネージメント”という部分を意識すれば,4バック・システムの導入であったり,実質的な4バックへと移行する可能性を含んだ3バックを意識しておく必要があるはずですし,そのために選手たちがどのように動くのか,戦術的な約束事を徹底しておく必要があるはずです。


 いままでは,その約束事を共有している基盤がいささか小さかったのではないか。


 小さいがゆえに強固だった,という見方もあるでしょうが,構成要素が欠けてしまえば,「浦和」のフットボールを表現することが難しくなってしまう。再現性が薄いという弱点を抱えることになるわけです。


 この戦術的な基盤を広げる絶好のチャンス,と位置付ければ。導き出される解答は,「若手選手の積極的な起用」でありましょう。


 勝負にこだわったギドは,グループリーグ序盤にはベスト・パッケージを持ち込み,決勝トーナメントへの進出を決めた時点で緩やかなパッケージ変更を掛けてきました。
 今季は,そんな余裕を持てない状態にある。チーム・コンディションを引き上げると同時に,戦術的な基盤を大きく広げていく,というように,複数のタスクを同時並行的にこなしていかなければならない。スポーツ・メディアでは,ゲルトさんが若手選手をスターターとして位置付けているだろうことが報じられています。


 ゲルトさんの持っている戦術イメージが表現される,最初のゲームです。言ってみれば,「2節遅れの年頭教書」のようなもの。


 ゲルト版の08スペック,そのプロトタイプに期待したいと思っています。