FIFA Fair play award.

トロフィーというよりは,やっぱりオブジェ。


 そんなことはないと思うのですが,やっぱり「さる高名なゲージュツ家さん」(青山方面に作品が置かれていたり,骨董通り近くには自宅・アトリエがありますな。)を思い出させるシルエットであります。ま,抽象していくとこういうシルエットにはなりそうですけどね。


 そんなトロフィー。浦和がFCWCにおいて獲得したしたものであります。



 FIFAフェアプレー賞,であります。
 この賞を受賞した背景となったのが,今大会での統計(FIFA.com・英語)であります。今回は,この統計をもとに。


 さて,このFIFAがまとめたスタッツでありますが,なかなかに興味深いものとなっています。
 フットボールという競技で,数字というものを過度に大きく扱うべきではない,とは思うのですが,数字から読み取る(思い返す)ことのできることもあるように思うのです。
 FCWCを通じて,浦和が受けたイエローカード総数は4。“Matches Played”(通算試合数)はSepahan F.C.戦に始まり3試合を数えますが,実際にカードを受けたのはA.C. Milan戦とEtoile Sportive du Sahel戦の2試合で,このうちの1枚はサポータへの想いがあふれ出したもの(カードを受けることを承知の上での行為)ですから,実質的にプレーに関与する形でのイエローカード数は3ということになります。


 では,FCWCにおいて対戦相手への敬意を過度に払いすぎて,臆病なゲームを展開したのか,と言えば,決してそのようなことはない。むしろ,アグレッシブに仕掛けていたし,相手からもかなり厳しいマークを受けながらこのトーナメントを戦っていたことを,スタッツは裏付けてくれています。
 “Fouls Committed”という数字であり,“Foul Suffered”という数字です。あまり見かけない項目ですが,ごくカンタンに言ってしまえば,ファウルをした数と,ファウルを受けた数なのですが,これらの項目で考えるとともに上位に位置するのです。
 もちろん,FCWCにあってもリトリートを比較的強く意識したフットボール・スタイルを大きく崩すことなく戦ってきた,という部分が,中盤から最終ラインにかけての守備負担として影響したということもあるでしょう。それでも,ラフへと傾かずにアグレッシブなプレーを続けていた,という見方もできるはずです。また,ファウルを受けた数を思えば,メンタルがかなり安定した状態にあったという見方もできるはずです。ファウルに対して冷静に対処し,不要なカードを受けずにトーナメントを戦ってきた。恐らくは,ACLでの経験がFCWCに生きているのでしょう。


 浮沈の大きなシーズンではありましたが,アグレッシブさと冷静さをうまくバランスさせながら戦えたシーズンでもあった。そして,2007シーズン最後となるトーナメントにおいて,2007スペックの浦和が表現したかったものを,シッカリと表現することができた。その結果として,3位というポジションをつかみ,フェアプレー賞を受賞もした。


 そういう評価ができるのではないでしょうか。