クラブ・セット。

イングランドびいきとしては珍しく,コンチネンタルな話をしてみよう,と思います。


 前任指揮官であるギドが,アーヘンの監督を解任されたという共同さん配信の記事(スポーツナビ)を目にして,最初に思い出したのは拓海良さんのエッセイ(サッカークリック・アーカイブス)でありました。


 コンチネンタルな話,と言いながら,実際にはイングランド方向に引っ張ってくるわけですが,そこはそれとして。このコラムに登場してくるトミー・ドカティさんであります。


 確かに,ビックリするキャリアであります。


 プレイヤー・コーチとしてキャリアをスタートさせたのは,1961年のことだそうであります。そのときのクラブは,ちょっと前までジョゼ・モウリーニョが率いていたウェスト・ロンドンのクラブであります。その11年後,ドカティさんはスコットランド代表監督の立場になります。この段階で率いたフットボール・クラブは6を数えています。


 ただ,ドカティさんにとって魅力的なオファーが舞い込みます。マンチェスター・ユナイテッドの監督,であります。このオファーを引き受けるわけですね。


 とまあ,フットボールの世界からリタイアするまで,海外,アマチュア・クラブを含めて16クラブでの監督を務めたひともいるわけです。


 監督なんて,責任を取るために存在しているような部分もあって。このドカティさんが言うように,ゴルフ・クラブとほぼ同数,それ以上に多くのクラブを率いることになるひとだって当然のようにいるはずです。


 欧州でのチャレンジは,確かにちょっと早い段階で終わってしまった。


 ドカティさんがマネジャーだった頃と違って,フットボール・クラブ,その首脳が指揮官に対してしびれを切らすタイミングは早まっているようにも見えます。サー・アレックスやアーセンが言う通り,監督に対するプレッシャーは厳しくなっているかも知れません。知れませんが,ひとをまとめ上げていく,という部分でギドが発揮していたに違いない能力は,監督にとって重要な資質のひとつでもあるはずで。そう遠くない将来,再びオファーが舞い込むのでは?と思いますね。