対カタール戦(U−22最終予選・アウェイ)。

「結果」を最優先すべきゲームであるならば。


 内容よりも,どのようにコントロールできたか,という部分を強く意識したい。


 先制点を奪取したあとの主導権は,本来掌握し続けていなければならないわけです。そのときに,最終ラインが基盤となってガッチリと守備的な部分でリズムを作り上げるのか,それとも攻撃ユニットが常に相手の隙を狙い続ける,という姿勢を見せ付けることでゲームをコントロールしようとするか。このどちらでもない時間帯を作り出してしまうと,リズムを相手に掌握されたり,自分たちからリズムを崩して自壊してしまう。


 ということで,短信程度にカタール戦(アウェイ)のことをば。


 エジプト戦のエントリで,ゲーム・マネージメントを選択するよりも自分たちが指向するフットボール・スタイルを積極的に押し出すことを選択した,と書いたのですが,本来自分たちのフットボールをハッキリと意識すべきは,“U−22代表”ではないか,と思っています。
 そもそも,チームの持っているウェイト・バランスが守備的な方向に傾いているのか,それとも攻撃的な方向により強く掛かっているのか。このポイントから,“ゲーム・マネージメント”がはじまるように思うのですが,どうもいまだに曖昧な印象がある。


 素朴にメンバーを見れば,攻撃ユニットを最大限に生かしたい。そして,彼らが極力高い位置でボールを奪取できるような仕掛け方を考えたい。


 となれば,このチームは最終ラインを基盤に守備的な安定性を作り出すことでゲーム・コントロールを仕掛けていくと言うよりも,攻撃ユニットの鋭さを最大限に生かすことで,結果的に守備負担を軽減させていく,という方向でのプレッシング・フットボールがフィットするのかな,と思ったりします。
 ですが,「仕掛け方」はフル代表と共通する要素を感じないでもないのですが,守備的な部分ではちょっとハッキリしない部分を持っている。フル代表での守備ブロック(最低限で考えれば,ディフェンシブ・ハーフとCBコンビ)が持っている機能を,同じように持っているわけではない。守備ブロックへと追い込んでいくようなディフェンスが,なかなか仕掛けにくいところもあるように感じます。そのために,たとえばこのゲームのように「最小得点差」でのリードを築いたあと,チームとしての戦い方にブレを生じやすいのかな,と。


 結果として,仕掛けるにしても守備面を固めるにしても,リスクの取り方が中途半端に終わったような印象があるのです。


 首位通過以外が許されない,非常に厳しいラウンドロビンですから,このゲームで「勝ち点3」を奪取するどころか勝ち点を1点も奪えなかったという事実は確かに重くなる,かも知れません。
 ただ,少なくともまだ2ゲーム残っている。戦術的なイメージをちょっと整理するだけでも違ってくると思うし,そもそも持っている武器を徹底的に生かしてやる,という意識があれば,結果としてどのようなゲーム・コントロールが考えられるか,自ずと見えるようにも思うのです。


 まずは,このゲームで表面化した課題をクリアすること。そして,次のゲームで「勝ち点3」を奪取するために集中すること,でしょうか。