スポーツ・セダン。
ああ,流行らない。
と,言ってはいけないのかも,ですが。
絶滅危惧種とは言わないけれど,少数派になっていることは間違いないでしょうね。おサイフを握っておられるひとの意向がヒジョーに強く反映されるのか,どういうわけか“ミニバン”と呼ばれるクルマが多い。
ミニバンが持っている居住性だったり機能性は確かに魅力的だろう,とは思うのですが,その機能を100%引き出せる状況は,私個人に限って言えばホントに少ない。それだけに,積極的な選択肢にはならないのであります。少人数のオトナが移動するのには,あの居住性はちょっと大きすぎるのです。
ということで,ちょっとフットボールから離れた,純然たる雑記であります。
さて話戻しまして。むしろ,「走ってナンボ」なクルマが欲しい,と思ってしまうクチです。
そんな存在こそが「絶滅危惧種」という可能性はありますが,それはさておき。
だからと言って,実用性を完全に無視してスポーツカーに走るのも「気合いと根性」が必要不可欠であります。理想を言う(財政的な部分など,クルマ選びにあっては必要不可欠な諸条件を完全に「棚に上げる」)ならば,ポルシェ・ボクスター(タイプ986)であるとか,ポルシェ・カレラ4(タイプ964〜993)あたりがいいな,と思うわけです。ただ,イロイロな部分で折り合いがつけにくい。当然,実用性は最小限でありますから,導入に踏み切るにあたっては言い訳が立ちにくい,とも言いますか。
ならば,周囲との折り合いを巧くつけながら,でも実際にはスポーツカーのような性能を持ったクルマがあれば,ある意味理想的であります。実用性を意識していないわけではないのだ,と見せながら,実際には相当程度のパフォーマンスを持っているわけですから,いい感じにカモフラージュできる。なんて思っているわけです。
この点,本国で発表された(とは言え,販売時期未定というのは残念ですが)BMW・M3セダンや,
年末に国内投入されるとアナウンスされているレクサスIS−F
などはなかなか気になるクルマです。いま住んでいるエリアから,ちょっとクルマを走らせればメインテナンス拠点がありますので,比較的維持するにも楽なメーカですしね。
また,安定性に優れる4輪駆動も魅力があります。
要するにアウディですね。ちょっと「気合いの入った」顔になってしまったのが個人的にはもったいない感じがしてしまうのですが,ならば中古,であります。私はバウハウス・テイストが濃厚だった先代が好きでして,A6をもとにしたスポーツ・モデルもいいな,などと思います。
それにしても。BMWとレクサスが狙う方向性は,面白いほどに似ています。
彼らにとって,やはり大きな市場なのは北米なのでしょうが,彼の地の顧客はATだけしか乗らない,なんて言われていた時代はすでに過去のこと,のようです。サスペンションにしても,かなり硬く締め上げられたモノを好むと言いますし,トランスミッションも“スティック・シフト”(マニュアル・トランスミッション)を操れるということがひとつのステータス,となっているようです。でありますれば,日本市場では設定されていないMTモデルがあったりする。“スカイライン”が再びキリッと締め上がった(締め上がりすぎのような気もしますが。)セッティングに変更されたのは,北米市場での嗜好を反映した部分が多いからだと言いますしね。レクサスにしても,インフィニティにしても狙っている路線は間違いなく“プレミアム・スポーツ”路線で,もともとその路線を開拓したのはBMW・Mですからね。
アメリカから数年遅れて,トレンドが太平洋を渡ってくるとするならば,ぼちぼち日本でもスポーツ・セダンにいい風が吹く,のかも知れません。