87年目の「未踏峰」。

確かに,この記者さんの指摘の通りであります。


 天皇杯3連覇狙う浦和はJ2愛媛と対戦(nikkansports.com)という記事であります。


 駒場での天皇杯初戦は,完全移籍,そしてローンで移籍している選手が多く,何となく「縁」を感じる愛媛FCとの対戦が決まりました。駒場のピッチ(11月までに,「畑」のような状況がどれだけ回復できるか,いいプレーを支えるためにも徹底した管理をお願いしたいところです。)で,選手たちのパフォーマンスを見ることができるというのも楽しみ,でありますが。


 この記者さんが指摘するように,天皇杯で3連覇を達成したチームは過去存在していません。


 歴代優勝チーム(JFAオフィシャル)を見ると,第1回大会から「2連覇」までを達成しているチームは確かに存在しています。


 この歴史を見直してみると,長く大学チームがフットボールを牽引しています。そして,あるポイントをきっかけにして実業団チームがその力関係を逆転していく,というラグビーフットボールとまったく同じ図式を持っているな,と思いますね。


 それはともかくも。特に,JSL時代の読売クラブ日産自動車は「3連覇」を阻みながら天皇杯を分け合っている。そして,プロフェッショナル・フットボールリーグであるJリーグが発足してからは浦和が2連覇を達成するまで,天皇杯を防衛したクラブは存在していません。


 1921年以来,どのチーム,クラブも達成できなかった「3連覇」というクレジットを刻み込む,その資格を現時点では持っている。もちろん,それ以前の問題として「高み」を射程に収めつつある国際的なタイトル,そしてクラブ・チームとして最も重要視すべきリーグ・タイトル奪取という目標がある。プライオリティは確かに,ここに置かれるべきだろうとは思うけれど,浦和の選手たちが「目の前にあるタイトルは奪いに行く」という姿勢を崩すとも思えない。


 それ以上に。単純にほかのクラブにあの小さなカップを譲り渡したくない。浦和が「アジアへの鍵」をつかみ取るきっかけとなった,あの小さなカップを。


 権威どうこうであるとか,ベストメンバー規定がどうとか。ましてや,日程問題がどうとか。


 そんな話ではなく,87年目の未踏峰に立つ,最初のクラブが浦和であってほしい。そう思うのです。