対城南一和戦(準決勝第1戦・アウェイ)。

90分ハーフのゲームだとして,前半を終了した段階。



 確かに形式的には,2−2のイーブンなのだけれど,実質的には相手にプレッシャーを掛け与えた状態で折り返すことに成功している。ホーム・スタジアムで奪取された2点が持つ効果を無効化したければ,第2戦において3点以上を叩き出さなければならない。少なくとも,ドロー・ゲームに持ち込むとしても2点以上の奪取が求められる。



 “アウェイ・ゴール”が持つアドバンテージは,相手に対するプレッシャーになるな,と。

 準決勝第1戦,城南一和とのアウェイ・マッチをごく短めに。



 コンディション面で言えば,恐らくギリギリの状況を続けているはずです。

 リーグ戦とACLという「二兎」を限りなく同じパッケージで追っている。しかも,リーグ戦は前週の土曜日ではなく同一週の日曜日に設定され,ゲーム・インターバルは短縮されてしまっている。コンディショニングだけで次のゲームを迎えている,という感じではないか,と感じます。

 そんな状況下でのアウェイ・マッチですから,リズムという部分で言えば浦和が持っているフットボール・スタイルへと流れを引き寄せていくと言うよりは,城南が作り出すリズムに結果として乗せられてしまうような形の前半だったように思います。



 ですが,ハーフタイムを挟んで後半に入ると,流れを引き寄せていく。



 早い時間帯でのビハインドを後半立ち上がりに跳ね返し,積極的な仕掛けからPKを奪取し,リードを奪ってみせる。浦和が見せた反発力は,彼らが持っているポテンシャルを十分以上に表現してくれたものであるように思いますし,“モチベーション”という部分での充実度を示してくれているようにも感じます。

 ただ,連戦を重ねていくうえで蓄積されていただろうダメージは,ゲームをクローズするという部分でチームに影響を与えていたのだろう,と感じます。



 ファイナル・スコアは2−2,奪取したアウェイ・ゴール数は2。



 ゲームをシッカリとクローズできなかったことをもって悲観的になる必要もなければ,アウェイ・ゴールを奪ったことだけをもって楽観的に構えられるものでもない。冒頭にも書きましたが,あくまでも90分ハーフのゲーム,その前半が終了した段階と捉えるべきであって,その段階で相手に対して優位な状況を作り出した,という意識でいればいいのではないか,と。

 第2戦において,アウェイ・ゴールによって相手に対して掛けたプレッシャーをさらに強く掛けられるならば,そしてシッカリとしたゲーム・マネージメントができるならば,つまりはいつも通りに浦和が表現すべきフットボールを押し出すことができるならば,望む「高み」にさらに近付いていける,と思うのであります。