QFにして難関(高円宮杯2007)。
ちょっと,対戦相手のことからはじめれば。
プリンスリーグ関東での戦績に,このチームの特徴が明確に表れているように思います。
リーグ戦戦績表・最終順位(JFAプリンスリーグU−18関東・オフィシャル)を見てみますと,彼らは1回戦総当たり制のグループリーグ(グループA)において首位のポジションを奪っています。
その戦績は,7勝2分け(得点18/失点5)。
グループAにおける最少失点を誇る,堅守のチームと考えていいでしょう。そして,順位決定戦初戦において苦杯を舐めた相手である東京ヴェルディ1969ユースも失点数は6と,同じように守備面からリズムを組み立てていくチームであることがうかがえます。言い方をちょっと換えるならば,高度に組織的,ではあるけれどその組織性を守備面に傾けたリアクティブなフットボールを展開するチーム,という見方でもいいかも知れません。
コンサドーレ札幌ユースU−18を3−1で退けた浦和ユースが西が丘で対戦する相手は,高校総体を制覇したチーム,市立船橋高校であります。QFにして,恐らくは高円宮杯屈指の強豪チーム,そのひとつとぶつかることになる。これほどしびれるゲームもなかなかないだろう,と思いますね。
さて,浦和ユースですけど。
プリンスリーグでは,恐らく市立船橋とは違うスタイルを押し出していたはずです。
それは戦績表にある,総得点数27(グループA,グループBを通じて最多)というクレジットが示すところでしょう。できるだけ早い時間帯での先制点奪取によって,ゲームのリズムを掌握する。そして,攻撃面にウェイトを傾けているように感じられます。グループリーグ最終戦では,その持っている攻撃力を見せ付けるような形で勝利を収めてもいます。ただ,グループリーグを見た限りにおいては,慎重な立ち上がりも同時に意識しているな,と感じる部分があります。攻撃的な部分を基盤として持ちながらも,ノックアウト・スタイルであるカップ戦に向けて守備的な部分にも意識を振り向けた,モディファイ版とでも表現すべきスタイルを使っているのではないか,と感じられます。
ごく大ざっぱに言ってしまえば,守備でリズムを作り出す市立船橋と,攻撃によってリズムを引き寄せる浦和ユース,ということになりそうです。その基本的なスタイルを,どのようにモディファイしながら西が丘のピッチに立つのか。
そんな部分からも,ちょっと楽しみにしたい対戦であります。