対全北現代戦(準々決勝第1戦)。

ゲーム・タイムが180分(90分ハーフ)として。



 前半が終了して,シビアに見るならば実質2−2のイーブン。



 悪くないだろう,と思いますね。



 第2戦(90分ハーフの後半)立ち上がり,積極的に仕掛けていく姿勢は,恐らく浦和が本来持っているフットボール・スタイルを存分に表現するために最も大きな要素になるはずです。

 ということで,準々決勝第1戦であります。



 “アウェイ・ゴール”システムのおかげで,ホーム・チームに求められるゲーム・プランは通常よりも複雑になりかねないように感じます。



 単純に,ホーム・アドバンテージを生かして攻撃的に仕掛け続ければいいというものでもなく,守備バランスを崩してまで仕掛けるわけにはいかない。同じ「1点差」でも,相手を最小得点に抑え込んだ1点差と,乱戦という状況下での1点差とでは,「アウェイ・ゴール」という要素が関わることで意味合いがまったく違ってしまう。

 ヤマザキナビスコカップでは“アウェイ・ゴール”システムに見事に引っ掛かってしまいましたが,このときはゲームを打ち合いにしてしまった。この部分で,ゲーム・マネージメントが「カップ戦」仕様のモノに修正しきれていなかった部分を感じます。



 対して,第1戦はある程度のゲーム・マネージメントに成功したと評価していいと思っています。



 前半は,立ち上がりの時間帯からシッカリと仕掛けていくことで先取点を奪取,リズムをつかんでいく。ハーフタイムを挟んで,後半立ち上がりにもリズムを失うことなく,追加点を奪う。ここまでの流れは恐らく,プラン通りだったはずです。

 ただ,相手の仕掛けを受け止める,という方向性に傾いてしまうと,仕掛けとディフェンスとのバランスがディフェンス方面へと傾いてしまう。となると,守備応対が安定したものとはならなくなってしまう。相手の仕掛けがギアチェンジをかけてきた時間帯に,その仕掛けを抑え込むような戦術交代が仕掛けられなかった,というのは結果としてゲーム・マネージメントの詰めが甘い部分ということになるでしょうし,ゲームをハッキリとクローズすべき時間帯での失点,という結果につながっているようにも感じられます。



 ただし,最小得点にして,「最小得点差」でのアウェイ・ゴールです。

 完全なフリー・ハンドとはいかないまでも,選択肢がどちらに多いかということを考えれば,浦和に分があるのは間違いないところです。



 第2戦,どれだけ「普段着」のフットボールが展開できるか。そのことが恐らく,全北の持っているカードを無効化し,第1戦でのアドバンテージを強固なものとする要素だと思います。