対広島戦(07−25A)。

高円宮杯を優先して書いてしまったために,ちょっと時機外れもいいところですが。


 ごく短めにまとめておこうと思っております。


 フットボールという競技は心理的な要素が大きく影響する,ということをあらためて認識したゲーム,という感じがします。


 もともと,浦和は先取点をできるだけ早い時間帯で奪取することによって,ゲームの主導権を掌握していくというスタイルを持っています。それだけに,前半12分という,立ち上がりと言っていい時間帯に先取点を奪取できたことは,ゲームを展開していくうえで大きな要素になったように思います。


 相手守備ブロックが相対的に低い位置を取っている。となると,物理的にプレー・スペースが狭くなるだろう最終ラインの裏を狙う動きを見せるよりも,ミドルレンジから積極的にシュートを狙っていく。そんな意図を持っていただろう達也選手の判断によって,浦和は自らのスタイルに持ち込むことができたように思うのです。


 ここ数季,安定度を持っているセットプレーから追加点を挙げ,ドリブル&ランからさらに追加点を奪取する。ほぼ,理想的な展開であります。


 ただし。ここからの印象は高円宮杯第2戦・対青森山田戦で浦和ユースが見せた不安定性と,ちょっと相似形であるようにも思うのです。


 もちろん,物理的なコンディションを考慮すれば,多くを要求することはできない話です。


 この時期にしては「例外的」と表現せざるを得ないようなキックオフ・タイム(恐らくはTVの都合だと思いますが,選手たちが100%のパフォーマンスを表現できる時間であるべきでしょう。TVのためにフットボールがあるのではない,ということをあらためて意識してほしいですね。)は,過酷なスケジュールをこなしてきた代表勢から体力を奪っていく。しかも,浦和が抱える代表勢はチームの心臓部とも言えるディフェンシブ・ハーフ,そして最終ラインを構成する。ボール・ホルダーを巧みに最終ラインが仕掛けた網へと追い込んでいく,重要な役割を持っている選手がコンディション面で100%ではないといれば,同じように,100%フィットのコンディションとは言えないはずの最終ラインでの守備応対が不安定なものになったとしてもやむを得ないところがあるわけです。


 加えて,前半でのリードが,コンディション低下を大きくしてしまったようにも思うのです。


 結果として,チームの守備応対が不安定性を見せることになってしまった。


 それでも,ゲームをどのようにクローズするか,ということを意識するような時間帯に,ゲームを落ち着かせるという意味ですごく大きな追加点を奪取することに成功する。


 ・・・後半,必要以上にゲームが難しくなってしまったようには思いますが。


 そんな状況にあっても,リズムを引き戻すことのできるタレントが帰還してきたこと,そして前半にシッカリとゲームの主導権を掌握していた,ということが大きく作用したように思います。


 ともかく。連戦初戦をモノにすることができたことで,リズムをつかむことはできたのではないか。そんな印象があります。