対神戸戦(07−23A)。
厳しい試合日程を思えば,「勝ち点3」奪取は間違いなく収穫,ではあります。
すこぶる現実的なことを言えば。
ひとつのゲームで何点を奪取しようとも,逆に最小得点差で勝利を掴もうとも,結果として奪取できる勝ち点は3であって,変わるところはありません。得失点差を意識する向きもありますが,得失点差は二次的な順位決定要素であって,あくまでもチャンピオンシップ・ポイントによってシャーレを掲げることのできるクラブが決定するわけです。ならば,どれだけ勝ち点を積み上げていくことができるか,という部分が問われることになる。引き分けに終わったゲームは確かに多いけれど,「勝ち点1」を確保し続けてきている,という見方も成立するわけです。
また,チームとしてのコンディションが決して良好とは言えない時期に,どれだけリズムの落ち込みを最低限に抑え込めるか,という部分も「総合力」という要素を構成するはずです。
ということを考えてみれば,収穫アリなゲームだったということにはなります。
いきなり書きはじめましたが,神戸戦であります。今回はいつもより軽めに。
ごく端的に言ってしまえば,勝ち点3を奪取することに成功はしたものの,“Not our day”なゲームだったということになるでしょうか。
啓太選手が警告累積によって出場停止を受けたために,ディフェンシブ・ハーフのポジションに阿部選手が入ることになります。そして,最終ラインに坪井選手が復帰したことで最終ラインの構成はどちらかと言えば,2006シーズンのパッケージに近い印象があります。ただ,守備バランスを考えると,ちょっとリトリート的な意識へと強く振り向けすぎた,2005シーズン序盤のような印象もあるのです。2006シーズンを通じて,守備的な安定性に関してはある種の答えを引き出しているから,2005シーズンのような迷いを生じることはないのだろうけれど,チーム・バランスが相対的に自陣方向へと傾いてしまって,コンパクトさを欠いたような感じがあるのも確かです。
また,相手の積極的な仕掛けに対して,「化学反応」を起こすかのように仕掛けのイメージが増幅していく,と言うよりはむしろ,物理的なコンディションや,恐らくは心理面での影響があったのかも知れませんが,相手の仕掛けを受け止めるという方向に流れてしまった時間帯が多かったような印象があります。
浦和のスタイルを考えれば,主導権を早い時間帯で掌握し,先制点を奪取しながらリズムを掌握していくという形が理想的なはずですが,今節においては前半をスコアレスに抑えられている。先制点こそ奪われてはいないものの,相手のゲーム・プランに乗せられた部分もあるように思うわけです。
とは言え,仕掛けをフィニッシュへと直結させるという意味での「決定力」は高みで安定しているし,巧みなゲーム・コントロールという部分においても安定性を持っている。最も厳しいこの時期に,確実に勝ち点を積み重ねていくためにはリアリスティックな姿勢を強めていくことも必要なことでしょう。高みを陥れるための条件でもあるでしょうし,コンディションの悪さを結果に反映させていない,という部分では評価をすべき,なのかも知れません。