追加招集メンバーについて。

当然の帰結,と言うべきでしょうか。


 タイトルでお分かりのように,今回は追加選手招集に関するニュース(JFAオフィシャル)をもとに書いていこうかな,と思います。


 今回追加招集された選手に関しては,リリースを見ていただくとして。


 高原選手のようなフィニッシャーが多くいる,と言うならば話は大きく違うのですが,実際には中盤から積極的に前線へと飛び出していくセカンド・ストライカー,あるいは相手守備ブロックの厳しいマークをかいくぐるような動きを見せながらボールを呼び込み,縦への鋭さからシンプルにフィニッシュへと持ち込むタイプのFWが必要。“ハノイ合宿”を通じてみれば,今回の追加招集には理由があるように思います。


 思いますが。


 だからと言って,報知さんの記事のように,“リストラ”とまで表現してしまうのはまたちょっと別の話,のように思えます。


 ごく初期段階では,チームをスムーズに機能させるために選手をユニットとして選出していました。指揮官の意図を理解する千葉の選手と,守備面の安定性を考慮する形で浦和の選手を選出してきたわけです。緩やかに,選手選出の基準が「個」の持っているパフォーマンスへと移行してきてはいるけれど,コンセプトを動かさないために千葉の選手を使ってきたように見える点もある。ごく大ざっぱに言えば,指揮官の意図するフットボールをプレゼンテーションする時期,として就任から約1年間を位置付けていたのではないか,と。


 この1年間を通じて構築してきた基盤は,決してムダなものではないはずで。アジアカップ2007の結果によって,すべてをご破算にする理由もないと思うのです。


 もともと,この指揮官は指向するフットボールに対して理想主義的な意識を強く持っていると同時に,ひとつひとつのゲームに対して現実的な対応をしてもくる。そのときのパッケージは,柔軟性を合わせ持ったものだろう,とも思うわけです。同じ「個」にしても,攻撃面でのギア・チェンジを積極的に仕掛けることのできる個と,守備面での安定性を確保し,ゲームを落ち着かせていく方向性での個があって,どちらも決して無視できるものではない。
 今回に関しては,攻撃面に意識を振り向けた追加招集となっていますが,イビツァさんが報知の記事の中でコメントしたとされる選手では攻撃面だけでなく守備面での安定性を評価しての言及,と思われる選手もいる。
 さらなる競争を促すためのメッセージも多分に含まれた招集。そんな感じがします。