U−20ワールドカップ(ファースト・ラウンド・その2)。

その2と言うには,かなり時期が遅れておりまして。


 実質的には“セカンド・ラウンド・プレビュー”,なU−20ワールドカップであります。


 まずは,ごくカンタンにグループリーグ最終戦(対ナイジェリア戦)のことなど。


 スコットランド戦でシッカリとした加速態勢を整え,コスタリカ戦で数少ないチャンスをモノにすることで,勝ち点6を奪取する。このことでチームは大きなフリーハンドを得た,と言っていいと思います。主力選手のコンディショニングを整えると同時に,リザーブ選手の実戦感覚を維持しながらチーム全体のボトミング・アップを狙う。
 恐らくそんな意図があったのでしょうが,守備応対面では間違いなくコーチング・スタッフの意図は実現されていた,と見ていいのではないでしょうか。ただ,守備応対に追われる時間帯が多く,チームに掛かっている負荷はかなり高かったようにも感じます。
 結果として,ナイジェリアの仕掛けを受けてしまった,という部分はあると思いますが,攻勢を受け止めたあとの攻撃面が思ったよりも表現できなかったのではないか,と感じるところがありました。守備面でリズムを作る,というアプローチが重要であることは当然ですが,ボール奪取から攻撃へ,そしてフィニッシュへという形を表現できないとすれば,チームとして相手の攻撃を受け止めるべきポイントが自陣方向へと下がってしまうことになり,必要以上のリスクを背負い込むことにもなる。リザーブ主体とは言え,カウンターに対するイメージを高めておく必要があるのではないか,という感じは持ちました。


 さて,ちょっとプレビューでありますが。


 グループE2位で決勝トーナメントへと駒を進めてきたチェコが,決勝トーナメント初戦の相手であります。


 当然でありますが,どのタイミングで主導権を握れるか,がまずは勝負かな,と感じます。ゲーム立ち上がりから猛然と仕掛けていく,というよりも,慎重に出方をうかがいながら守備ブロックのクラックを見つけ出す,という時間を使ってくるはずです。
 この時間帯に,どれだけシッカリと相手を揺さぶり,逆に守備応対面で隙を見せないか,が問われるはずです。そして,仕掛けるべき時間帯には,全体が同じ戦術イメージを持って仕掛けられること。「緩急」がどれだけ付けられるか,が鍵だろうな,と思うわけです。


 このチームを見ていると,1戦ごとにシッカリと成長を続けていってくれているな,という感じがしますし,熟成を遂げているな,とも感じます。ノックダウン・スタイルのトーナメントに入りますから,慎重であることは必要でしょう。しかし,相手に敬意を払いすぎる(慎重になりすぎる)ことはない。グループリーグを通じて確信を深めただろう,自分たちのフットボール・スタイルを押し出せるならば,主導権を握ることができるはず。


 可能性がどこまで広がっていくのか。そんなことを意識させるチームだと思えばこそ,1ゲームでも長くプレーしてもらうためにも結果を期待したいところです。