対磐田戦(07−18A)。

数的優位,が物理的なアドバンテージにならない。


 むしろ,心理的な部分を考えるとディスアドバンテージとして作用してしまうことがある。


 そんな図式に,部分的にせよ嵌ったところがあるように感じます。


 また,中盤〜前線にかけての距離感が適切さを欠いてしまうと,攻撃,守備両面において安定性を欠くことにもなってしまう。7月のホーム・アンド・アウェイを考えると,中盤が鍵を握るはずですから,後半に入ってからのスロー・ダウン傾向をどれだけ最低限に抑え込めるか,が課題になりそうな感じであります。


 ということで,磐田戦であります。


 4バック・システムのように表記しておいて,な3バックであります。


 2007シーズンのパッケージで組み上げられた2006スペックとでも表現すべき,コンベンショナルな3−5−2ですが,使い慣れている,という安心感も作用しているのでしょう,立ち上がりから積極的に仕掛けていく,という姿勢は今節においても堅持されていたような感じです。


 立ち上がり直後の時間帯に,FKから先制点を奪取すると主導権を握り,28分にはGKとの1対1からのリフレクトを後方からしっかりと詰め,ゴールマウスへとロビングするようなフィニッシュを決め,追加点を奪取する。


 その後,相手に退場者が出たことで数的優位な状況になる,わけですが。いわゆる“パワープレイ”に,いい形では持ち込めなかったかな,と感じます。


 むしろ,相手側の機動性が高まる方向へと作用したような印象が強いように感じます。また,後半をどう戦っていくか,という部分ではまだ修正すべき部分が残っているようにも感じられます。確かに,リードを築いてはいるのですが,相手のリズムは数的不利の状況に陥ってからの方が良くなってきている部分があるし,仕掛ける意識,という部分では前半よりも後半の方が明確に表現されている時間帯が多かったように感じられる。そのときに,守備ブロックを中心として相手の攻勢を受け止めるだけでなく,コンパクトなバランスを維持しながら積極的に仕掛けていく,という時間帯を増やしていく必要があるように感じられます。


 ゲームを決定付ける,という部分では,前線と中盤との関係性でもうちょっと整理すべき部分があるようにも感じられます。言うまでもなく,前線にはフィニッシャーとしての役割が期待されて当然なのですが,局面によっては中盤からの飛び出しを巧く使ってやる必要性も出てくるし,相手守備ブロックを大きく縦方向に揺さぶるためには,中盤からのエリアへの飛び出しが有効な局面もある。「使い,使われる」という部分でのバランスに,さらなる熟成の余地はあるな,という感じです。


 ・・・さて,リーグ戦に関しては折り返しで中断期間でありますが,1ゲーム消化数が少ない中での勝ち点差5というのは決して悪くない数字だろう,と感じます。8月の立ち上がりで離されることなくゲームを戦い,その後に控えるゲームにおいて,「勝ち点6」に相当する意味を持たせられるかどうか,が高みを陥れられるかどうか,を分ける(現段階での)大きな要素になりそうです。


 そのためにも,7月のホーム・アンド・アウェイが大きな意味を持つ。


 ちょっと極論かも知れませんが,シーズンを左右する可能性を持った1週間ということになりそうであります。