IRB・PNC(まとめ)。

前半の流れを,どれだけ後半にも引き継いでいけるか。


 つまりは,守備的な部分での収穫は結構ある,ということになるのでしょう。ですが,守備をどのようにして攻撃へと結び付けていくか,という部分でまだ熟成をしていかなければならない,あるいは強化していく必要性がある,ということかな,と。


 パシフィック・ネーションズカップであります。


 ジュニア・オールブラックスニュージーランドBチームに相当)との最終戦も,前半だけ取り出せばなかなかの善戦,なのですが,善戦を現実化するための負荷が後半に大きな影響を与えたな,という感じでありました。という感じで流れたトーナメントについて,ちょっと短めにまとめてみますと。


 RWCを意識すべき時期ですから,日本代表としてのタスクはかなり明確でありました。


 (Bチーム相当とは言え)ラグビー・ネイションズ相手に,どこが通用して,どこが不足しているのかを見極めていくこと。そして,グループリーグは短期間に多くのゲームをこなしていく必要があることから,チームの基盤をできる限り広げ,2つのチームをパフォーマンスの落ち込みを最低限にとどめながら編成すること。


 このうち,前者に関しては「限定的」に達成できた部分があります。ディフェンスであります。低く,鋭くボール・キャリアーに対してアプローチしていく,という方向性が徹底できている時間帯がしっかりと作れている。ですが,限定的に,というのは守備が攻撃を意識したものになりきれていない,という部分を考えてのことです。


 相手の攻勢を受け止めているだけでは,ゲームの主導権を掌握することはできないし,ましてや反撃のきっかけをつかむことも難しいところがあります。守備の鋭さを,しっかりと攻撃の端緒として意識付けていかないと,守備にかかる負担だけが選手に掛かってしまって,最終的には守備が破綻することになってしまう。程度の差こそあれ,PNCでは後半に崩れることが多かった。それは,守備面での集中が高まっていることの裏返し,のような感じがします。であるならば,守備から攻撃へ,というトランジションを徹底して意識付けていかないと,課題を積み残したままに本戦へ臨むことにもなりかねない。攻撃の形,というよりも,「攻撃の基盤」を意識付けることが先決,と感じます。


 後者のタスクに関しては。残念ながら達成度は相当に低い,と言わざるを得ないでしょう。2つのチームを組む,というのは現実的に必要ではあるのだけれど,パッケージによって発揮できる能力に大きな差を生んでしまってはセカンド・ラウンドを射程に収めるのは難しい部分があるように感じます。


 本戦にまで残された時間はそれほど多くない。テクニカルな問題もありますし,物理的な問題もあるように思えます。それらの問題をどれだけ整理し,クリアできるか,という意味での総合力がこれからの時期には問われていくように思います。