対清水戦(07−17A)。
チーム・バランスが良くなっているな,と感じますね。
どこかバランスに不安定さを感じるときには,ボール・ポゼッションが安定していても,ポゼッションが相手守備ブロックに対する圧力へと直結していなかったような感じがします。遅攻か,速攻かという違いはあるにせよ,「縦」方向への鋭さが不足していると,チームとしての攻撃にノッキング・ポイントが発生してしまう。このノッキング・ポイントと,相手のボール奪取位置とが重なり合ってしまうと,チームが前掛かりになっているタイミングでカウンター・アタックにさらされることになり,守備応対が余裕を持ってできなくなってしまうことになる。
不安定さを露呈していたのは,どこかひとつに原因が求められるのではなく,ひとつひとつの要素に微妙なズレがあって,そのズレが重なり合ってしまったためだろう,と感じます。
この点,ここ数節,微妙なズレが見事に修正されてきているな,と感じます。ということで,ちょっと短めに。
攻撃面では,「縦」方向への鋭さを織り込みながら,2006シーズンに主戦兵器としていたフィニッシュの形をどう改良していくか,という部分で,まだ熟成の余地を残しているな,と感じるところがあります。
ですが,ポゼッションが相手守備ブロックに対する圧力として機能する時間帯が増えてきているように感じます。このことを裏返せば,守備応対が安定してくるということも意味するように思います。
前線から中盤にかけて,連動して相手ボール・ホルダーに対するプレッシャーが掛かるようになると,ポゼッションをベースとする攻撃だけに頼ることなく,カウンターを仕掛けることもできるようになり,攻撃面でのバリエーションも増えていく。
ギアがしっかりとエンゲージされたな,と感じますね。
さて,「僅差」で勝ち点3を奪取するか,それとも勝ち点を奪取できないか,というのには大きな違いがあります。
浦和のスタイルとして,立ち上がりの早い時間帯で先制点を奪取し,その後のリズムをコントロールする,という姿があります。このスタイルが不思議なことにはまらないのが,日本平でのゲーム,という印象が確かにありました。先制点を奪取し,追加点まで奪っているのだけれど,ハーフタイムを挟んで後半に入るとリズムを相手に掌握され,結果として最小得点差で勝ち点を失う。あるいは,相手にゲームをコントロールされてしまい,得点を奪えずに終わってしまう。
パフォーマンスの絶対的な違いを感じるような敗戦とは思わない。とは言え,巧みにリズムを取り戻されたり,立ち上がりからリズムを掌握されることで,ゲームをコントロールされ,結果として敗戦を喫する。リアリスティックに勝ち点を奪われてきた場所,という印象は確かにあるわけです。
しかし,今節は昨季のような,「リアリスティックな」強さを取り戻したような感じがします。そして,リアリティを取り戻せたのは,チームにとって重要な要素を取り戻した,ということとほぼ同義だろう,と思います。
追撃態勢を整える,その大前提は整備されたような感じであります。