遅れてきた新素材。

ちょっと,時間差があるような感じですよね。


 確か,1999年当時ではまだ,コットン素材が主流だったように思います。


 フットボールとは異なり,間違いなくつかまれるモノですから,軽量性や通気性など機能性素材が持っている要素よりも,「耐久性」が必要とされていた,ということなのでしょう。
 フットボールやテニスなどでは,“DRI−FIT”というテキスタイルを前面に押し出しているナイキも,イングランド代表やフランス代表が使うエキップメントはコットンを使用していたような記憶がありますし,ラグビー・ジャージでは有名なサプライヤーであるカンタベリー・オブ・ニュージーランドもコットンを使用していたはずです。


 しかし,いまではフットボールと同じく,ラグビーフットボールの世界でも機能性素材を使ったジャージが主流を占めるようになっています。しかも,相手からつかまれにくいように,相当タイトなカッティングやデザインになっています。フットボールで言えば,カッパのデザインに近いでしょうか。
 この意味で,最も攻撃的なデザインを採用しているのが,恐らくイングランド代表でしょう。エキップメントの提供をナイキから受けているのですが,このジャージは相当に身体に密着します。しかも通気性や発汗性を高めてもいる。部分的には,フットボールよりも攻めた設計をされているような感じです。


 さて,日本代表でありますが。


 エキップメント・サプライヤーはここ最近,カンタベリーであります。そのカンタベリー,ちょっとした「タマ」を仕込んできたようであります。ということで,こちらの記事(サンスポ)をもとに。


 ごく大ざっぱに言ってしまえば,グリップを高めるためのウレタン・コーティングをしました,ということのようです。・・・やっぱり,遅れているような感じがします。
 確か,2002年ワールドカップに臨むにあたり,アディダス・ジャパンはGKキットの前面に同じようなコーティングを施していたと記憶しています。もちろん,高機能性素材が持っている性能を落とさないようにコーティングする,という部分で難しさがあるか,とは思うのですが,基本的にはGKキットにコーティングできる段階で,同じようにラグビー・ジャージでもコーティングする,というアイディアが出てきてもおかしくはない。


 この記事では,ワラビーズが代表例として挙がっていますが,実際にはナイキだったりアディダスあたりも積極的に導入しているように思います。
 ただ,日本代表に提供されたプロトタイプは,衝撃吸収性をも考慮した構造を持っているのだとか。ボール・ハンドリングがある意味,生命線となるだろう日本代表にとって,エキップメントの側面からサポートが得られるというのは,確かに大きいだろうと感じます。