Senators, Strikes Back.

やっぱり,ホームのチカラというのはあるものです。


 短期決戦では,どれだけ加速態勢をシッカリと作り上げ,一気に駆け抜けられるか,という要素も重要であるように思いますが,一方で「ホーム・ゲームでは間違いなく勝ちに行く」という姿勢を崩さないことも大事であるように思います。
 そんな姿勢を強力に支えるのが,ホームが持つ雰囲気ではないか,と思うのです。


 さて,ロードでのゲームをモノにできなかったセネターズにしてみれば,本拠地に戻っての第3戦こそが大きな意味を持つゲーム,ということになりそうです。
 ということで,スタンレーカップ・ファイナル第3戦であります。


 立ち上がり,リズムをつかんだのはビジターであるダックスでした。


 時間退場によってショートハンドに陥ったセネターズを崩し,先制点を奪取することに成功するわけです。
 一方,セネターズはダックスのショートハンドに巧くつけ込むことができなかったのですが,16分を経過したあたりのタイミングで,同点へと追いつくことに成功します。


 第2ピリオドもダックスに先手を取られ,直後セネターズが追いつくという形で立ち上がります。
 7分にアナハイムのリードを許すと,ここからちょっと流れが違ってきます。クロスチェックによってペナルティを受けたダックスに対して,パワープレイとなったセネターズが,個のパワープレイを得点へと結び付けることに成功するわけです。ここで同点に追いつくと,18分の得点によって再逆転に成功します。


 そして,第3ピリオドに追加点を奪取,5−3で第3戦をものにするわけです。


 ごく大ざっぱに言ってしまえば。


 スタンレーカップ・ファイナルの流れを考えれば,第3戦においてもダックスが掌握している時間帯は比較的長かった,ということになるでしょうか。
 敵地であるにもかかわらず,立ち上がりから流れをつかむことに成功する。この流れを手放すことがなければ,恐らくダックスがカップを大きく引き寄せることになったかも知れません。


 ですが,セネターズはダックス・ディフェンスをねじ伏せた,という感じがします。
 パワープレイのように,攻撃の枚数をかけて分厚く仕掛ける,という感じではありません。どちらかと言えば,比較的「個」に頼った,シンプルな仕掛けを押し切ることで活路を開いた,という感じがするわけです。ダックス・ディフェンスがハッキリとしたマン・マークと言うよりはプレス・ディフェンスに近いスタイルをとっているからか,ディフェンスを引きつけてからのパスが効果的に機能していた感じもします。


 さて,2勝1敗であります。セネターズが4戦を抑えると本当に「反撃」体制が整ったことになるし,ここでダックスがブレイクするとカップに本格的に近付くことにもなる。
 地味なチームの対戦であるためか,視聴率はそれほどじゃあないそうですが,面白さはなかなかだと思います。