対Sydney FC戦(ACL Matchday 6)。

最終的には,マッチレースになりはしましたが。


 実際問題として,かなりの混戦になったなという感じがします。ですが,最終的に首位通過を果たしたのですから,「リーグ戦を戦う」という部分では十分すぎる収穫だと思います。ということで,シドニーFC戦をもとにグループリーグのことを含めてちょっと短めに。


 最終節,「勝ち点3」を奪取してノックアウト・ステージ進出を決めたかった,という意識もあるかも知れません。ですが,モチベーションの部分ではシドニーFCの方がともすれば高かったかも知れません。条件面では確かに浦和に有利なのですが,シドニーにしてみればシンプルに「勝つこと」だけを意識すればいい。当然,「勝ち点3」を奪取するほかには,決勝トーナメント進出が不可能,という事情もある。それだけに,目標設定はシンプルだったはずだと思うのです。


 対して,浦和は“アウェイ・ゴール”制度を導入しているカップ戦のように,「攻撃的」に行くべき部分と守備的に進めるべき部分を巧くバランスさせなければならないような,ちょっとナーバスになりやすい条件だったかな,と思うところがあります。それだけに,プライマリー・バランスがちょっと自陣方向へと片寄った形になってしまったようにも感じます。リーグ戦では熟成が進んできたような印象がある攻撃面が,ちょっと停滞してしまったようにも感じるところもあります。


 ですが,優先順位はゲームに勝つことよりも,ノックアウト・ステージに進むことにあります。そのためのゲーム,として捉えれば,このゲームの意味は大きいはずだ,とも思っています。


 さて,グループリーグを思い返してみると,ドローがかなり多かったな,という印象があります。アウェイ・マッチで「勝ち点3」を奪取できていれば,もっと有利にリーグ戦を戦えたのではないか,と感じる部分も確かにあります。


 ただ,アウトサイドから見るほどに簡単なゲームはなかったとも思います。


 戦術的に熟成途上にあることなど,チーム・コンディションも関わってのことでしょうが,アウェイ・マッチで“points”を奪取することはできませんでしたが,確実に“point”を稼いできてもいる。そして,グループリーグ初戦で「勝ち点3」を奪取したことが,マッチレースに持ち込めた最大の要因にもなっている。その意味で,勝ち点1を積み重ねた,という部分もそうですが,相手の勝ち点2を奪った,という見方も成立するはずです。


 リーグ戦だからこそ現実主義に徹して戦う,という考え方もあるわけですから,(もちろん,スッキリした形ではないにしても)このような戦い方もひとつのアプローチだと思っています。


 少なくとも,「その先」への切符は手にした。


 次は,ノックアウト・ステージでの加速力,その基盤になるものをどれだけシッカリと整備,熟成できるか。コンディションを含めて,チームとしての形が見えてきたタイミングになるはずの時期に,どういう戦いを見せてくれるのか,楽しみであります。