再び、ちょっとNHLのことなど。

こんなエントリを書いた段階では,全然予想できていませんでした。


 と言いますか,正直ビックリなプレーオフのカード,とも言える気がします。


 ということで,再びNHLのことを書いていこうかと思います。


 ちょうどいまは,プレーオフの時期でありまして,カンファレンス・ファイナルに進出するチームを決める準決勝が戦われております。で,NHLウェスタン・カンファレンス準決勝のカードが,かつて日本で開幕戦を戦った“バンクーバー・カナックスアナハイム・ダックス”だったわけです。
 バンクーバー・カナックスは,確かにスタンレー・カップ・ファイナルへと駒を進めた経験を持ってはいますが,「古豪」と言うほどに安定した成績を収めているわけじゃあない。
 アナハイム・ダックスに関しては,2002〜03シーズンにスタンレー・カップ・ファイナルに進出,僅差でトロフィーを逃すなど,急成長を遂げたクラブという認識を持っています。


 そして,2006〜07シーズンは2002〜03シーズンの再来を期待したくなるような状況,かも知れません。


 この準決勝,ごくカンタンに言ってしまえば「日本シリーズ」方式です。


 7ゲームが用意され,4ゲームを先取することで決勝進出が決まる,という形です。ただ,微妙に日本シリーズと違うのは開催地でありまして,日本シリーズでは最初の2ゲームと最後の2ゲーム,そして真ん中の3ゲームで開催地を変えるわけですが,NHLでは最初の2ゲームと次の2ゲームで開催地が変わります。そして,第5戦が終わると移動して第6戦を戦い,再び第5戦の開催地に戻って最終戦を戦う,というスタイルになっています。


 さて,このカードでホーム開催権を多く持っているのは,シード順位で上位に立っているアナハイムであります。
 このプレーオフを敵地から戦いはじめることになったバンクーバー,初戦で大きくリズムを崩してしまいます。1−5での敗戦であります。その後,第2戦では接戦を制して通算成績をイーブンに引き戻すのですが,本拠地であるバンクーバーに戻ると,ダックスにリズムを掌握されてしまいます。
 大ざっぱに言ってしまえば,第2ピリオドあたりまではなんとかイーブンで踏みとどまっているのですが,第3ピリオドで突き放されてしまう。また,第3ピリオドで追い付かれてしまい,延長でひっくり返される。1点差,という僅差を逆に落とすことで,追い詰められてしまったような感じです。


 逆に,アナハイムから見れば,「結果」を短期間で叩き出すことが求められるプレーオフで,ともすれば落としかねないようなゲームを僅差でモノにできているわけですから,「いい流れ」と言って差し支えないでしょう。


 さて,もうひとつのカード,そしてイースタン・カンファレンスについては,長くもなりましたので,折り畳ませていただきます。


 ウェスタン・カンファレンス準決勝,もうひとつのカードはデトロイト・レッドウィングスサンノゼ・シャークスであります。
 このカード,サンノゼ・シャークスが第3戦終了時で2勝とリードを奪っております。スポーツ・ポータルであるESPNさんでは詳細なボックス・スコア(ESPN・英語)を用意してくれているのですが,シャークスも劣勢を巧く跳ね返すようにゲームをモノにしていることが感じられます。


 それだけに,第4戦でレッドウィングスがリズムを引き戻すことができると,セミファイナル全体の流れも変わる,かも知れません。


 同じことは,イースタン・カンファレンス準決勝,ニュージャージー・デビルズ−オタワ・セネタース戦でも言えそうです。3戦を終了して,2点差以上がついたゲームは第3戦のみ,しかもこの第3戦は第3ピリオドになってゲームが大きく動くものの,第2ピリオドまではスコアレスでした。確かに,プレーオフをリードしているのはニュージャージーなのですが,4戦をオタワがモノにできれば,流れが変わる余地はありそうです。


 もうひとつのカードは,ニューヨーク・レンジャース−バッファロー・セイヴァース戦です。このカード,ある意味当然ではありますが,本拠地で落としたゲームがありません。それだけに,どちらがロードでの勝利を挙げられるか,が鍵を握るはずです。


 個人的には,古豪復活,という希望を込めてレンジャースに頑張ってほしいと思っていますが,今季のNHLプレーオフは相当な混戦です。どのクラブがファイナルへと駒を進めてもおかしくはない。
 ちょっと気の早い話ですが,スタンレー・カップ・ファイナルは相当熾烈なゲームになるのではないか,と思っています。そのときには再び,書いてみようと思っています。