スズキ・ファクトリーのことなど。

ハッキリ言って,地味なパッケージであります。


 たとえば,ヤマハだったらヴァレンティーノ・ロッシであります。ホンダのことを考えると,ニッキー・ヘイデンですし,ドゥカティならばロリス・カピロッシ。いわゆる“エース”というのがファクトリー(ワークス)にはいるものなのでありますが,このチームはちょっと難しい。この写真に写っている#71,クリス・ヴァーミューレンもなかなかのパフォーマンスを見せてくれているし,#21のジョン・ホプキンスも(なかなかポディウムにまでは進めないにしろ)安定した部分を見せてもいる。絶対的なエース,とまでは言えないけれど,コレはコレで面白いパッケージなのかも知れません。


 それだけに,どれだけの進化を見せてくれるのか,という部分もすごく興味があります。



 ということで,今回もフットボールとはまったく関係ない,バイク・レースのことなど。しかも,ここしばらくチャンピオンシップからは遠ざかっているスズキ・ワークスであります。


 もともと,2ストロークから4ストローク・エンジンへと大きく車両規則が変更されるにあたり,スズキは準備期間を必要として初年度からの参戦を考えてはいなかったようです。それでも,車両規則が変更された最初のシーズンからグリッドに姿を見せてはいました。ただ,運動特性が優れている,と言われていたRGV−Γのパッケージ(フレームワークが当然,中心になりますが)を強く意識しすぎたからか,それとも当時のエースであるケニー・ロバーツJrが4ストロークに適応しきれなかったからか,なかなか戦闘力が上がらなかった,でありますればなかなかポジションも上がらなかったような記憶があります。
 とまあ,結構な低空飛行ぶりでありますから,当然スポンサーさんも付きにくいわけです。このときは,スズキのイメージカラーであるブルー・グラデーションとホワイト,というカラー・スキームでありました。


 そんな流れがちょっと変わりはじめたのが,2006シーズンのことであります。それまで,“リズラ”はイギリス・スーパーバイク選手権に参戦していたスズキのチームをサポートしていました。そのサポート体制を,モトGPへと広げていったわけです。このシーズンは,ライダー・パッケージがホプキンスとヴァーミューレンというこのパッケージに変更を受けたシーズンでもあります。


 そして,今季です。


 現段階では,ドゥカティ(デスモ・セディチと新排気量規定はビックリするほど好相性ですな。916時代のスーパーバイク選手権を見ているようであります。市販車だとドゥカティも結構好きなんですけどね。)やヤマハ,ホンダの壁はなかなかに厚いな,と思うポジションではありますが,それほど悪くないポジションでもあります。どこまでこのポジションを上げていくことができるか。そして,どの段階で表彰台に立つことができるのか。


 ちょっと楽しみだったりするのであります。