iPodの活用法(ラグビー版)。
なかなか,鋭いiPodの活用法ではないか,と思っております。
その気になれば,どこででもブリーフィングが可能になるし,キメの細かい選手へのチェックが可能にもなる。ラグビー・フットボール,代表チームでのアプローチではありますが,コレはトップ・リーグに参戦しているクラブや,フットボールの世界でも十分に応用できるアイディアではなかろうか,と感じます。
今回は,iPodで個人分析!カーワンHC“新兵器”で長所&弱点指摘(SANSPO.COM)という記事をもとに。
映像利用というと,ゲーム前のブリーフィングでプロジェクターなり,大型ディスプレイを使って対戦チームのポイントを絞り込んだ映像を見る,なんて感じをイメージしますが,確かにポジション別に対処すべき部分を的確に指示するには,映像としては大ざっぱな部分があるかも知れません。
また,最近のラグビー・フットボールは役割が重なり合ってきています。
FWであっても,BKであっても基本的に求められる資質は変わらないところがありますし,ひとりひとりの選手が持っているパフォーマンスが高みで安定していないと,チームが持っているべきイメージが表現できないことにもなります。たとえば,タックルがどれだけ低い位置で仕掛けられるか,という部分が最終的にはターンオーヴァからの攻撃に影響する,こともあるわけです。
この部分を解消する,という意味でもiPodは相当に効果的な感じがします。つまり,タックルの入り方が不安定な選手に対しては,低いポジションにタックルが入っている映像と,逆にボール・キャリアーを止めきれないタックルの映像をうまく組み合わせて使うなどして,具体的な指示を出しているのでしょう。
さすがに,スコッドひとりひとりにiPodを渡して,チェック・ポイントをまとめた映像を落とす,というわけではなさそうですが,個別具体的な指示を与えるためには“1on1”というのは確かに効果的でしょう。しかも,トレーニングの中で発見できた課題,あるいはチームにシッカリとした負荷が掛かる実戦を通じて出てきた課題を,リアルタイムに近い形で修正するには,iPodのような携帯端末は大きな威力を発揮するはずです。
もちろん,“リアルタイムに近い”修正を可能にするためには,スカウティング・スタッフであったり,タクティシャンのひとたちが猛烈なスピードで情報を処理し,選手ごとにポイントとなる部分を抽出していく必要がありますから,かなりのハードワークでしょう。サンスポさんの記事を読めば,そんなハードワークをすでにラグビー・ネイションズはこなしている,とのことであります。やっと,分析面でもラグビー・ネイションズを追いかける態勢が整った,ということになるかも知れません。