ちょっとスプリント。

シングル・シーズン制ではありますが。


 時期によっては「トーナメント」(と言いますか,カップ戦と言いますか)であるかのようにゲームが集中します。


 確かに,2007シーズンが開幕して以降,1週間のインターバルを置いてゲームを闘う回数は決して多くはないのですが,試合日程(浦和オフィシャル)を見ると,リーグ戦第7節から第11節までの期間,基本的にゲームとゲームとのインターバルは3日間程度であります。さらに,ACLグループリーグを考えると,コンディショニングを維持するだけで次のゲームへと臨まざるを得ない時期もあります。厳しい日程,であります。


 言うまでもなく,ひとつひとつのゲームが同じように重みを持ってはいますが,リーグ・テーブル上位に付けるクラブとの対戦が集中しているだけに,恐らく相手は首位のポジションを奪取すべく,いつも以上に高いモチベーションを持ってゲームに向かってくるはずです。そのモチベーションを真正面から受け止めるのではなく,「自分たちのゲーム」を立ち上がりの時間帯から押し出していけるか。連戦初戦となる川崎戦で,(熟成段階にあるとは言え)自分たちのリズムを前面に押し出しながら戦うことができれば,連戦を乗り切るための加速態勢が作り上げられるのではないか,と。


 加えて,ACLグループリーグではアウェイ2連戦が,リーグ戦を縫うように組まれています。時差調整を意識しなければならないアウェイではないものの,移動距離は決して短くはありません。同時に,グループリーグ突破を確実なものとするには,上海申花を相手には「勝ち点3」を奪取しておきたいし,グループリーグ2位に付けているペルシク・ケディリ相手には最低でも「勝ち点1」を確保しておきたいところです。


 間違いなく,ファースト・チームが持っている総合力が試される期間になるはずです。


 ・・・ちょっと,アメリカン・モータースポーツ的な言い方をすれば。


 レース序盤,コース・コンディションを整備するためにフルコース・コーションがかかったような感じです。このタイミングに,ピット・レーンがオープンされていればマシン・セッティングを再調整したりして,レース再開に備えている,というような。


 そして,隊列に戻るとローリング・スタートが待ち構えています。絶妙のタイミングでコントロール・ラインを通過することができれば,その後のレースを有利に展開することもできる。決して無理にスプリントを続ける必要もないけれど,ローリング・スタートのタイミングでシッカリとした加速態勢をつくることができなければ,後続のマシンに先行を許すことにもなりかねない。


 チームがひとつの形を作りつつあるタイミングで,スプリントを要求されるというのも厳しいな,と思いますが,この時期を乗り切ることができると,チームの熟成もさらに進むかな,と思ったりもします。