対大分戦(07−04A)。

アチェンジの方向性が違ったような感じがします。


 と言いますか,ギアチェンジそのものはいいとしても“チーム全体のギアチェンジ”をする必要性を落としてしまったな,と思うのです。


 ということで,大分戦であります。いつものように遅めのエントリでありますれば,ポイントを絞って考えてみようかと思います。


 ちょっと前提として。このゲームでは,4バックを採用していました。


 確かに4バックを採用するメリットも大きい,と思います。ですが,浦和が保有している戦力を思うと,“ダブル・アウトサイド”の役割がキレイに整理されていないと,アウトサイドでの攻撃的な機能が落ち気味になってしまう恐れもあるかな?と感じるところがあります。
 となると,結果的にセンターの破壊力も減衰してしまう。3か4か,という話をするためには,アウトサイドをどれだけシッカリと機能させるか,という部分が浦和にあっては不可欠かな?と思うわけです。


 このことを踏まえて。1点差のリードを持っている状況で,どちらかと言えば相手の攻勢を受け止める時間帯が長い。残り時間にもよりますが,さらに攻撃的な姿勢を強めることで追加点を積極的に奪いに行くよりも,守備的な選手を投入することでゲームをシッカリとクローズする方向性を指向する。
 この判断に関しては,決して間違ったものだとは思わないのですが,戦術交代に伴って「個々の役割を整理しなかった」という部分は大きな問題が残るように感じます。


 ごくカンタンに言えば,複数の戦術的なメッセージを1回の戦術交代で伝えようとしてしまったな,と思うのです。堀之内選手を投入することで,守備的な戦い方を指向する,というメッセージは伝わったとは思う。しかし,チームとしてどういうプレッシャーを掛けるのか,というメッセージはうまく伝わらなかったな,と。
 浦和が指向しているフットボール・スタイルを思えば,前線からシッカリとしたプレッシャーを相手ボール・ホルダーに掛けていかないとディフェンス・ラインを高く維持することが難しくなるし,と言って,守備ブロックを自陣深くに構えてしまえば,ロングレンジ・パスによって守備ブロックが揺さぶられる,そのきっかけを与えてしまうことにもなる。
 前線から積極的なプレッシングを仕掛けていくことで,ボール・ホルダーのパスコースを厳しく限定していくと同時に,守備ブロックが高めの位置を維持することで相手の飛び出しを抑え込む。そんなメッセージを持って,攻撃ユニットに関する戦術交代を仕掛ける余地もあったな,と思うのです。ですが実際には,1回の戦術交代で複数のメッセージを出してしまったために,メッセージが誤って伝わってしまったかな,と思うのです。


 2トップ,という形を崩すことなく,堀之内選手のディフェンス能力を活かすためのポジション・チェンジが伴わなければ,チームが機能不全へと陥ってしまう。また,中盤での流動性であったり,ダイナミズムが落ちてきているならば,この点についても積極的な戦術交代が求められることになる。


 浦和が指向すべきフットボールの方向性は確かに形を見せつつあるし,内容面でも安定度を増してはきているのですが,実際のゲーム・マネージメントの面で,必ずしも意図が正確に伝わる戦術交代にはなっていない。この点,指揮官が要修正ではないか,と思いますね。