微調整。

プレデター”で言えばラバー・コートだし,“トータル90”ならばオフセット・シューレース。


 ボール・コントロールを徹底するために考えられた,ある種の機能です。


 となれば,ボールのフィーリングも明確に伝わってくると言っていいはずだし,そのフィーリングによっては,リリースのタイミングとか,ボールとの接触角度など,微調整を必要とする場面も出てくる。


 かつては,“European Cup”と呼ばれていたUEFAチャンピオンズ・リーグにおいて公式試合球に指定されているのは,“06/07フィナーレ”であります。基本的に,FIFAワールドカップ,あるいはJリーグにおいて公式試合球となっている“+チームガイスト”(2007シーズンから,カラーリング変更を受けておりますな。)のデザインを,“チャンピオンズ・リーグ”のイメージに合わせて変更したもの,という理解で良いのではないでしょうか。


 となると,“+チームガイスト”を普段から使っているリーグだと,フィーリング・チェックをする必要性は恐らくないはずですが,リーグによってはアディダスがオフィシャル・サプライヤーになっていないこともあるわけです。


 代表例としては,FAバークレイズ・プレミアシップでしょうか。


 ワタシが現地で見ていたときは(1998年あたり),UKブランドであるmitreと契約を締結していたのですが,2000年からナイキがボール・サプライヤーとなっています。2005〜06シーズンでは,確か“T90エアロ2”が使用されているはずです。となると,欧州カップ戦に参戦しているクラブは,プレミアシップではナイキのボールを使い,欧州カップ戦ではアディダスのボールを使うことになるわけです。


 ひとりひとりの選手の立場になって考えれば,ボールのクセに応じて,微妙な調整を繰り返しながらリーグとカップ戦を戦う,ということですね。


 JリーグとAFCチャンピオンズ・リーグとの関係は,この正反対,ということになります。AFCチャンピオンズ・リーグで使用されるボールは,プレミアシップと同じ“T90エアロ2”である一方で,普段Jリーグで使われるのは“+チームガイスト”であります。


 となると,このフィーリングの違いがどうなるか,という部分でありますが。スポーツ・メディアさんの記事を見る限り,ポジティブな方向に見ていて良さそうであります。カップ戦初戦,強烈なスタート・ダッシュを決めることができるかどうか,そのちょっとしたファクタになりそうではあります。