対香港戦(U−22アジア2次予選)。

水野選手とか家長選手,あるいは増田選手であったり。


 ひとりひとりの選手のパフォーマンスが印象には残るのでありますが。


 もっと,ユニットとしてのパフォーマンスが印象に残ってくれてもいいのに,と思うゲームでありました。国立霞ヶ丘での香港戦であります。


 個人的には,代表のゲームでの最優先項目は「結果」にあり,その結果がしっかりと引き出せているのであれば,内容面に必要以上に踏み込まない,という考え方をしていることが多いのですが,まだ「2次予選」の段階で,さらに厳しい最終予選が待ち構えているにもかかわらず,「ファイナル・スコアだけが収穫」というのでは,ちょっと不安が残るのも確かであります。


 そこで,ちょっと内容面に関してシロート目的に考えてみようかな,と。


 3トップと言いますか,1トップ2シャドーと言いますか。


 インターナショナル・フレンドリーである,アメリカ戦から継続して採用されている戦術パッケージであります。どちらにせよ,センターとして意識されるのは平山選手です。とすれば,両サイドに位置するFWは2つの関係性を意識する必要が出てくるのではないか,と。
 当然,ひとつは平山選手との関係性です。単純にフラットなラインを前線に形成するのではなく,局面に応じてアングルを変えながら,あるいは縦方向のギャップを変化させながらトライアングルを構成していく必要性がある。
 もうひとつは,アウトサイドとの関係性ですね。FWが大きく外に展開することになると,“ダブル・アウトサイド”のような関係性を構築することになります。ごく大ざっぱに言えば,左右に攻撃の基軸を構築して,その基軸を構成する選手を横方向,そして縦方向へと変化させることで攻撃を組み立てていこう,というアイディアを反町監督は描いているのかな,と感じるわけです。
 となれば,アウトサイドがセンターへと切り込んでくることも十分に考えられるし,FWがスムーズにアウトサイドをアタッキング・サード深くにまで送り出すような動きを見せることも求められていくはずです。そして当然,攻撃的にラッシュを掛けるならば,この動きにディフェンシブ・ハーフの攻撃参加という要素も追加されることになる。つまり,どれだけ流動的にポジション・チェンジを仕掛けていけるか,という部分が戦術的に熟成されている必要性があるように思うのです。


 思うのですが,なかなか連動性を感じさせる攻撃が仕掛けられなかったように思えるのです。


 むしろ,冒頭に書いたように,ひとりひとりのパフォーマンスの方が印象に残り,そのパフォーマンスに支えられた結果として得点を奪取していく。こういう姿は,互角以上の相手に対して見せるべきであって,本来「通過点」として意識しておくべき2次予選の段階で見せるべき姿ではないような感じがするのです。


 本格的にシーズンに入ってしまいますから,チームとして熟成を図っていく時間的な余裕は少なくなるでしょうが,それでももっと熟成を果たしたチームを見たい,というのがホンネであります。