お説教の効果は。

言うだろうなあ,とは思いましたけど。


 でも,まだ浦和を率いているわけではないから「5分間」程度で済んでいるんだろうな,と思いますね。木村さんの『オシムの言葉』だったか,市原時代のエピソードを読んだ記憶がありますが,敗戦の責任はハッキリさせないと気が済まないタイプ,というか,ケースによってはピッチに実際に立っている選手よりもはるかに負けず嫌いな性格を前面に押し出すタイプのようですから,「5分間」程度では済みそうにはないな,と。


 何かあれば,すぐに引っ張り出される話かも知れません。


 ・・・浦和を率いていたら,どうでしょう。


 説教どころの騒ぎじゃあないでしょうね。イビツァさんも相当な個性の持ち主だけど,チームも個性派集団だし。サー・アレックス(この方も相当な「頑固オヤジ」ですよね。)とマンチェスター・ユナイテッドのような感じ,でしょうか。さすがにブーツを投げつけはしないでしょうけども。


 オシム監督 浦和組お説教…ブルズ杯完敗(スポーツ報知)という記事であります。


 イビツァさんのお説教を具体的に意味付けしてみると。


 まず,前提。たとえば,今回のブルズ・カップさいたまシティカップとかヴォーダフォン・カップのようなものですよね。クラブ間での国際親善試合です。同時に,レッドブル・ザルツブルクやFCバイエルン・ミュンヘンにとってはウィンター・ブレイクを挟んでリーグ戦に入っていくための態勢を確認するための舞台でもある。コレ,いつもだと浦和の立場なのですよね。中断期間ではあるけれど,シーズン真っ最中ですから,コンディションを問題にすることがない。


 つまり,浦和は開幕を控えて来日するクラブと同じ状況で,ブルズ・カップを戦ったということです。


 2007シーズンへ向けた準備,その初期段階にある。であるならば,コンディションがそれほどよくないだろうことも容易に想像がつくところだろうけれど,ならば,2006スペックに近いチームが見えてしかるべき,と思ったかも知れません。
 でも実際には,2006スペックではなくて「悪しき伝統」が顔を出してしまった。「前半は寝ていた」ってヤツです。ただでさえコンディションが良くないところに,相手のモチベーションを受け止めるかのような入り方をする。コレでは,「僅差」のギャップを縮めるどころか,逆に広げる方向へと作用してしまう。
 恐らく,欧州のクラブに比較して,ブルズ・カップでの浦和がナイーブなものに映ったのでしょう。敗戦という結果を問題にしているのではなく,「クラブの『営業』でわざわざ日本にまでやってくる欧州のクラブのように,コンディションが悪いなりのゲームをしなさい(老獪になりなさい)!それくらいできる選手だろう,君たちは!」ということなのでしょうね。


 良い意味で,悪いコンディションの中でも「ふてぶてしく,良い意味での悪意を持って(2つ下のエントリをご参照下さいませ。)」プレーできるようになると,間違いなくフットボール・ネイションズとの「僅差」は縮まっていく。期待の裏返し,と受け取って良いと思います。


 さて,こういう「外的刺激」を受けると,浦和のスタイルは結構大きな進化を遂げたりする。お説教効果というか,ブルズ・カップ効果というかはどうでも良いとして,これから開幕に向けて,どういう上昇曲線を描くのか。と言いますか,絶妙のフライング・スタートを決められるかどうか,はこれからの約2週間にかかっている,ということになるでしょう。