ラグビー日本選手権のことなど(組み合わせ・暫定版)。

現在,日本選手権への出場権を確定させ,なおかつカップタイ・ドローが決定しているのは,九州電力(トップチャレンジ・シリーズ首位)−早稲田大学(大学選手権準優勝)であります。


 基本的には,全国クラブ大会(決勝戦)と,マイクロソフトカップの結果によってカップタイ・ドローがはじめて明確になります。ということで,今回は例年書いているラグビー日本選手権,その組み合わせについてトーナメント・ボード(JRFUオフィシャル)をもとに書いていこうかと思っております。


 まず,出場枠を実質的に確定させているトップリーグ勢のことであります。


 準決勝からの登場(つまり,シード)となるのは,間違いなくプレーオフ・トーナメントであるマイクロソフトカップにおいて決勝戦へ進出した2クラブ,ということになります。
 ですがシンプルに,レギュラー・シーズンでの1位と2位がシードされる,とは言えないような感じです。ブレイブルーパスも2005〜06シーズンのように「圧倒的な」印象を残しているわけではないし,ヴェルブリッツはもともと上位に食い込めるだけの潜在能力を持っている。また,ジュビロサンゴリアス相手に接戦を演じ,レギュラー・シーズンでは負け数だけではサンゴリアスとイーブンでもある。そしてサンゴリアスは清宮監督就任以降,チームとしての戦い方が見事に整理され,フィールドに立っている選手,彼らが持っているパフォーマンスがシッカリと束ね上げられたような感じがする。


 秩父宮近鉄花園でのゲームは,トップリーグ・チャンピオンとしての称号を奪取するための初戦となると同時に,日本選手権に向けた通過点,そして2007〜08シーズンに向けての前哨戦としての意味も持つような感じです。どうしても“ポスト・シーズン”があると,リーグ戦が軽視されているようで個人的には好きになれない部分があるのですが,カップ初戦は確かに注目に値するゲームだな,という感じがします。
 立ち上がりから積極的にリズムをつかもうとするクラブが勝ち上がるのか,それとも相手の構成を徹底的に跳ね返し,ワンチャンスをモノにしようとするクラブが勝ち上がるのか。いずれにせよ,ロー・スコアの緊張感が支配するようなゲームになりそうな感じはしますね。


 次に,全国クラブ大会でありますが。


 決勝戦のカードは,2005〜06シーズンとまったく同じ。“タマリバクラブ北海道バーバリアンズ”であります。トップリーグの位置付けをどう見るかにもよるのですが,まさしく文字通りの「ハイ・アマチュア」の戦いであります。昨季,遅刻はしましたがこのカードは実際に秩父宮で見ております。
 そのときも感じたことですが,時間的な制約の多いアマチュアとはいえ,戦術的な熟成度は比較的高く,コレクティブな戦いを展開していることに正直驚きました。ひとりひとりの選手が持っているパフォーマンスやポテンシャルを比較すれば,TL勢とは開きがあるようにも感じますが,大学勢と互角,それ以上の戦いを展開できるのは間違いないところでしょう。


 ただし,昨季のように“アップセット”が待っていることだってあり得るわけでして。


 関東学院は「昨季,早稲田にできたことができないはずがない」と思っているでしょうし,早稲田にしても,大学選手権を逃した悔しさを日本選手権へとぶつけてくるのは間違いないでしょうし。


 案外,1回戦が最も面白いゲームになるのでは?と思っていたりします。